国際高専:国際高等専門学校

"空飛ぶロボット"を夢見て

Drone Project by Ito Lab

伊藤 恒平 教授/ Professor Kohei Ito

学生時代から航空宇宙工学やコンピュータサイエンス、ロボットなどを研究してきた伊藤恒平先生。最近はドローンを通して、自動制御や人工知能の新たな可能性を学生に伝えています。高専ロボコンやマイクロマウスの指導経験も豊富な伊藤先生に、新しいモノを生み出す楽しさを聞きました。


伊藤 恒平
国際高等専門学校 教授

防衛大学校航空宇宙教室卒業後、同大学院理工学研究科(航空宇宙)修了。筑波大学大学院博士後期課程(コンピュータサイエンス)修了。平成18年、本校助教授に就任し、同21年教授。専門は制御工学、システム工学。

―空中での撮影や宅配サービス、災害現場への派遣など、さまざまな場面で登場することが多くなりましたが、そもそも、ドローンとは何ですか?

 ドローンとは、簡単に言うと「無人飛行ロボット」です。リモコンで操作するラジコンタイプのものと、プログラミングによる制御で動く自律式のものがあります。複数のプロペラで飛ぶ「マルチコプター」がよく知られていますが、いわゆる飛行機の形をした固定翼タイプのものもあります。私が研究しているのは自律制御のタイプで、メインは制御プログラムの作成ですが、フレームもオリジナルのものをデザインし、レーザーカッターなどを使って作っています。

―ドローンの研究を始めたきっかけは何ですか?

 20年以上前になりますが、大学時代に所属した航空宇宙教室で、人工知能の研究に出会いました。人間の脳を構成する神経細胞の「ニューロン」をコンピュータで再現した「ニューラルネットワーク」を使って、飛行機を自動制御できないかと考えたんです。結論から言うと、当時のコンピュータの性能では計算速度が遅すぎて、人工知能に必要な膨大な量のデータを処理できず、うまくいきませんでしたが、これが飛行制御研究のスタートでした。

研究室にはドローンや自律歩行ロボットを研究テーマに選ぶ学生が集まる

―飛行制御の研究を活かす対象がドローンというわけですね。

 元々、ロケットを作りたいという夢があり、とにかく「飛ぶモノ」を作りたかったんです。それで、飛行機などの飛翔体が飛行するためのプログラミング制御を一貫して研究してきました。ドローンはその研究対象としてうってつけであるだけでなく、学生が総合的なシステム設計力を養うための教材としても非常に優れています。制御の概念やプログラミング、設計、製作、モーターのスペック、電池の必要量など、1台のドローンを飛ばすために、さまざまな知識と技術が必要ですから。
 企業との共同研究も進めており、東京航空計器という会社と、フライトコントローラーの開発に取り組んでいます。フライトコントローラーはドローンを安定して飛行させるための重要な部品で、私は主に飛行実験を担当し、完成度を高めるために協力しています。白山麓キャンパスでも、広い敷地を活かして実験する予定なので、学生にもぜひ参加してほしいですね。

制御プログラムから自作してオリジナルのドローンを作っている伊藤教授

―マイクロマウスの研究にも熱心ですね。

 マイクロマウスは30年以上の歴史があり、日本で初めて行われたロボコンと言われています。3メートル四方の迷路を自律制御で、つまりロボットが自分で考えながらルートを探索し、最短ルートを見つけてゴールを目指す競技です。どのような制御プログラムで迷路にアプローチをするかがそれぞれの腕の見せ所で、マイクロマウスの魅力でもあります。全国大会も行われていて、国際高専からも毎年、学生が出場しています。また、マイクロマウスの技術向上と交流を目的に、8年前から金沢で、草の根大会を主催しています。学生だけでなく、一般の「マウサー」も大勢集まり、世代や専門分野を超えて、技術や知識を交換して盛り上がっています。今年は国際高専の白山麓キャンパスで開催予定です。

伊藤研究室で受け継がれてきた代々のマイクロマウス。改良を重ねて進化してきた

―新しいモノを創造したい学生にとっては魅力的な話です。

 ドローンにしろマイクロマウスにしろ、回路設計からプログラミング、外装製作など、ロボット作りにかかわるさまざまな技術と知識を学ぶことができます。今後は、授業で自律制御の校内案内ロボットを作ろうと思っています。階段を上るのが難しいので、上の階を案内するためにはドローンがいいかなとか・・・アイデアを考えるのは楽しいです。学生にもこの楽しさを伝えたいですね。

HOMEReport from the Lab伊藤恒平 教授

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