国際高専:国際高等専門学校

エンジニアリングデザインVA 前学期成果報告会 Engineering Design VA Presentations

2023年7月26日(水)、5年生のエンジニアリングデザインVAの前学期成果報告会が金沢キャンパスの合同講義室で行われました。エンジニアリングデザインは国際高専のものづくり・コトづくり教育の核となる科目で、1~5学年通して履修します。(エンジニアリングデザインについて記事を読む)5年生のエンジニアリングデザインVでは実社会にある課題の解決に取り組みます。今回の前学期成果報告会は「中間報告会」のような役割で、各学生がそれぞれのプロジェクトの内容と進捗状況のプレゼンテーションを英語で行い、高専・大学の先生方から質問や後学期の活動に向けたアドバイスを貰います。プレゼンテーションは各学生10分で、去年まではコロナ禍の影響でZoomでの発表でしたが、今年は久しぶりに対面で行われました。

Development of GUI-based Robot Tuning System
井上 武虎

井上さんは昨年参加ロボコンチームで機体のプログラミングを担当。その時に感じた様々なパラメータの数値を変更する煩わしさを解消するためのソフトウェアを開発しました。このソフトウェアはロボットの角度や回転数などのあらゆるパラメータを直接USBケーブル経由で変更でき、実際に動作確認しながら調整することが可能になります。すでにソフトウェアは完成しており、井上さんはデモンストレーションを見せながら今後の目標として保存機能とマイナス値を使用可能にすることとしました。

APPLYING INTERACTIVE PROJECTION MAPPING TO EXPERIANTIAL LEARNING
徳山 美結

徳山さんと田中さんは2年前にボルダリングウォールにプロジェクションマッピングを映し出すSDGs教材ゲームを開発しており、今回も協力してその時に実現できなかった「触れる」プロジェクションマッピングにリベンジします。前学期は併設校金沢工業大学の出原立子教授の指導のもと既存技術の修得に努め、使用するカメラ等の機材を選定し、人間の動きに反応するプロジェクションマッピングのプロトタイプを制作しました。後学期の目標はゲームをデザイン・開発し、フィードバックを得ることとしました。

Research on an end effector that grasps suspended soft objects
佐藤 俊太朗

去年に引き続きロボコンチームに所属し、リーダーを務める佐藤さんの将来の夢は人間に代わって作物を収穫するスマート農業ロボットの開発です。偶然にも今年のロボコン課題がフルーツに見立てたカラーボールの回収であり、佐藤さんは果物のような柔らかいものを掴むロボットアームを研究しています。前学期はロボットの本体を製作しつつ柔らかいものを掴む機構とそれに最適なセンサーの選定を行いました。後学期の目標はロボコン大会で実際にカラーボールを掴むことです。

Development of an Autonomous Small-scale Agricultural Vehicle Base with High Traction
畠中 義基

畠中さんは去年度より小規模農家向け小型農業機械を開発しており、今年は目標だった牽引力が強い小型トラクターの製作を行いました。機体は水や泥などに強く、こだわりのロッカーリンク機構によって凸凹した地面も問題なく走行できます。プレゼンテーションでは機体のスペックの解説やデモンストレーションの動画を流し、後学期の目標は実験と機体の評価と述べました。先生方からはロボットが具体的に何の作業を行うのかを気にする質問や、実際の農家に聞き取り調査を行ってはどうかなどのアドバイスの声がありました。

Adapting Projection Mapping to Experiential Learning of Sustainable Development Goals
田中 杏奈

田中さんは徳山さんと一緒にプロジェクションマッピングでSDGsを学べるゲームを共同制作しながら、遊んだ人間の脳波を測ることでフィードバックを数値化する研究をしています。前学期は徳山さんと協力しながらゲーム制作の技術習得に充て、後学期にゲームの完成を目指します。2年前に同研究を行った際は期間内にフィードバックを得られなかったため、今年こそはターゲットである小学生にインタビューで感想を聞き、脳波を計測したいと述べました。

Examining the limitations of affordability and seasonality in fresh produce
種村 真央

種村さんは室内の家庭菜園に着目し、レタスを育てる装置「レタスタワー」のプロトタイプをペットボトルで自作しました。ターゲットは都心部に住んでいる人間で、限られた室内スペースを想定してスケールは限定しました。プレゼンテーションではこれまで試作した各プロトタイプを解説し、後学期は素材を変えて改良版のレタスタワーの制作を目標とします。先生方からは育ったレタスと一般販売されているレタスの比較してはどうかとの声がありました。

以上。最高学年の後学期の研究結果に注目です。

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