国際高専:国際高等専門学校

山崎 史依さん(4年生)インタビュー Autodesk Learning Partner Fusion360 学生デザインコンテスト2023 最優秀賞

インタビュー 山崎 史依さん(国際理工学科4年)

インタビュアー:大脇 ジョナサン・幸介

―― 山崎さんはAutodesk Learning Partner Fusion 360 学生デザインコンテスト2023 2月のテーマ「私の好きなお鍋」へ応募し、最優秀賞を受賞しました!一言お願いします。

山崎 CHAMPION IS BACK!!

―― 2021年のブックツリー、2022年のアマトイ以来2年ぶりですね!その間もずっと応募していたんですか?

山崎 毎月テーマはチェックしていたのですが、インスピレーションが湧くまでは応募しないことに決めてました。3日間考えてアイデアが出なかったから辞めてました。

―― 今回はアイデアが出たんですね?

山崎 アイデアを考えていた日が2月22日の「猫の日」で、猫をテーマにするインスピレーションが湧きました。そこから鍋に必要なものをアイデアノートにリストアップしていきました。

―― 山崎さんは普段からFusion360を使用している印象です。最近だとエンジニアリングデザインでも使用していましたよね?それなのにコンテストにしばらく応募していなかったのが意外でした。

山崎 ダニングクルーガー効果って聞いたことありますか?白山麓キャンパスにいた頃はいわゆるやり始めの「馬鹿の山」状態で、無知だから何をしても無根拠の自信があったんです。そこから「絶望の谷」を抜けて、今はここにいる状態です。(継続の台地を指差しながら)

―― スランプを経て、安定した状態なんですね。今作『猫の鰤しゃぶ鍋』のこだわりについて教えてください。

最優秀賞を受賞した『猫の鰤しゃぶ鍋』山崎 史依作

 

山崎 湯気とカセットガスのデザインですね。あとは猫のおたまです。

―― 今回最優秀賞に選ばれた勝因は何だと思いますか?

山崎 正直言ってわからないです(笑)センスを評価していただけたのか、それとも客観的に見て良かったのかな?って思ってます。

―― 制作は何日くらいかかったんですか?

山崎 アイデアは1時間で、制作は5日くらいかかりました。1番難しかったのは水菜で、別の形の水菜をたくさん作る必要がありました。あとは薬味皿の花びらの模様も苦労しました。アイデアノートでリストアップしたものは全部入れたので時間がかかりましたが、今年2月はうるう年で1日長かったので余裕がありました(笑)

山崎さんのアイデアノート

―― 応募期間ギリギリで一気に仕上げたんですね!

山崎 ひらめきが空から降ってきて一気にやりました。猫の鍋と薬味皿が最初で、能登半島地震があったので応援のために地元のものを出したいと思って鰤しゃぶ鍋を選びました。

―― なるほど、それで猫と鰤なんですね。

山崎 友達と食事していたのですが、その日がちょうど2月22日の猫の日で、ピキーン!と種割れしました。この鍋の下部分もしっぽを巻いた猫になっているし、おたまも猫で、テーブルにも猫の足跡があるんです。

―― 今回のテーマ「私の好きなお鍋」に猫のアイデアを組み入れたわけですね。

山崎 あとは、毎回季節感を入れるようにしています。

―― 季節感ですか?それは何故ですか?

山崎 俳句は季語を入れるじゃないですか?このコンテストは必ず季節感を入れることにこだわっています。アイデアを深めるというか、コクが増すというか、月例である意味にも繋がりますし。

―― 来月も応募するんですか?

山崎 台湾で学会があったので応募しませんでした...

―― 相変わらず忙しいですね!前回入賞した2年前と比較して今の自分が成長したと思いますか?

山崎 白山麓キャンパスにいた1、2年生の時はストレス発散してモデリングしていました。色々な感情がありすぎて、感情の色をすべて塗ると真っ黒になるんです。でもFusion360はデジタルプラットフォームなので、デジタルではすべての色を塗ると真っ白になる。自分の感情をデジタルにコンバートするのがモデリングで、気が晴れたんです。逆に今はストレスを感じることが少なくて、幸せにモデリングしています。Fusion360に依存しているのではなく、好きでやっています。

―― 今回の作品で最優秀賞がとれる手応えはあったんですか?

山崎 正直、取れなかったらどうしようという不安がありました。先ほど言ったダニングクルーガー効果で、昔は無知で無駄に自信があったんでクオリティが高いものが出来たら自信がありましたが、今回は全力を出したからこそ、これで取れなかったらダメかもと思っていました。

―― 昔に比べてモデリングの腕は上達したと感じますか?

山崎 昔に比べて速く細かくモデリングできるようになりました。エンジニアリングデザインでも使いますし、個人でも使いますし、仲が良い大学生に教えることもあったので上達したんだと思います。

―― 使い続けているということはFusion360が1番使いやすいからですか?

山崎 他のCADとUIが違いますね。UIが見やすくて本当に使いやすいです。

 好きだからやる。誰かのアイデアのタネになればいい

―― 山崎さんは色んなことに全力で取り込んでるように感じます。その原動力は何だと思いますか?

山崎 好きでやってるからだと思います。苦じゃないし、あーなりたいとかも思わないし、褒められたいわけじゃない。自分の作品が誰かのアイデアのタネになればいいなって思ってます。楽しいからやってるだけですね。チャンピオンズリーグ(入賞者のみの上級コンテスト)に参加しない理由もそれですね。

―― チャンピオンズリーグには今後も参加しないんですか?そちらのほうがレベルが高そうですが。

山崎 好きなことにプレッシャーがかかって欲しくないんです。クオリティを求められますし、私は好きでモデリングがやりたいです。

―― よくわかりました。最後に、好きなことを見つけようとしている世の中の人にメッセージをお願いします。

山崎 えーなんだろう?
   人生を楽しんでください。好きなことが見つからない人は何か1つ極めればいいんじゃないかな?10円玉磨きとか(笑)本当にモノはなんでもいいと思います。

―― 山崎さん、ありがとうございました!

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