「モナリザの視線」の謎に挑む研究で菅沼賞受賞。4年の沖山琳世さんが「第31回日本顔学会大会」で

国際理工学科4年の沖山琳世さんが、2026年9月12日(土)・13日(日)の2日間、金沢工業大学扇が丘キャンパス23号館で開催された第31回日本顔学会大会(フォーラム顔学2026)において、「ステレオ実写画像からのオフセットモナリザ効果(oMLE)を誘発する顔画像の合成手法」を発表し、優れた研究として評価され、菅沼賞を受賞しました。

「モナリザの視線」の謎に挑み菅沼賞を受賞した沖山さん

本研究は、沖山さんが筆頭発表者となり、林道大教授(国際高等専門学校)、大塚作一教授(金沢工業大学)と共同で取り組んだものです。ポスター発表では、顔画像における視線知覚の不思議な現象である「モナリザ効果」に着目し、立体視画像を活用した新たな画像合成手法を提案しました。

 

モナリザの視線はなぜ「オフセットがついて」追いかけてくるのか

「モナリザ効果」とは、絵画や写真を斜めから見ても、描かれた人物が常に自分を見つめているように感じる現象です。本研究では、この一般的な現象を「Conventional Mona Lisa Effect(cMLE)」と呼んでいます。
一方、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画「モナリザ」では、視線が完全には観察者を追従せず、わずかにずれて感じられることが知られています。研究グループは、この特徴的な現象を「オフセットモナリザ効果(Offset Mona Lisa Effect:oMLE)」と定義し、その発生メカニズムの解明に挑戦しました。

 

片方の眼を置き換えるだけでオフセットモナリザ効果を再現

ステレオカメラを用いてモデルを撮影した実写画像を用いて実験を行いました。また、カメラの上下の位置にも注目して条件を変化させました。その結果、カメラをやや高い位置に配置して被写体(モデル)を見下ろす「俯角あり」の条件で、右目画像の片眼部分を左目画像の眼に置換した場合に最も自然な形でオフセットモナリザ効果を生じさせることが確認されました。研究グループは、実写画像においても左右の眼の情報を組み合わせることで、立体視に由来する視線知覚の変化を再現できる可能性を示しました。
この成果は、顔画像の知覚メカニズムの理解を深めるだけでなく、画像生成や映像表現、バーチャルヒューマン技術などへの応用も期待されます。

 

菅沼賞を授与された沖山さん(写真左)

日本顔学会大会とは
日本顔学会大会(フォーラム顔学)は、顔に関する研究者や技術者、医療関係者、芸術家、デザイナーなどが集い、顔に関する学際的な研究成果を発表・議論する日本顔学会最大の学術大会です。日本顔学会は1995年に設立され、「顔」に関する工学、心理学、医学、芸術、文化など幅広い分野の研究を推進しています。

第31回大会は「顔学は面白い」をテーマに開催され、顔認識・画像解析・生成AI・美容・医療・文化・芸術など多様な分野の研究発表、シンポジウム、特別講演が行われました。

菅沼賞について
沖山さんが受賞した菅沼賞は、日本顔学会が授与する主要な研究表彰の一つです。原島賞、輿水賞、阿部賞とともに2013年に創設され、日本顔学会大会で発表された研究の中から、「顔学」の発展に大きなインパクトを与えることが期待される優れた研究を選定し、その功績を顕彰するものです。
初参加にして栄誉ある菅沼賞を受賞した沖山さんの研究は、顔画像における視線知覚という興味深いテーマに新たな知見をもたらす成果として高く評価されました。

 

(関連ページ)
[林 道大先生執筆 金沢ジャーナル]
フォーラム顔学2026参加報告 – 沖山 琳世さんが「菅沼賞」を受賞 –
https://www.ict-kanazawa.ac.jp/journal/41867/?mode=ja

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