チャットボット、スマートレコメンデーション、画像生成などのAIは、私たちの日常生活の一部となっています。では、学生たちはその仕組みを本当に理解しているでしょうか?
こんにちは、アピラク・サンゲンチャイです。2年生の「AI基礎」の授業を教えています。この授業では、学生がAIの基礎を理解できるよう、体験型の活動を通して学びを深めています。講義を聞くだけでなく、さまざまな楽しく対話的な活動を通して、AIの世界を探求します。
まず始めに基本的な「AIとは?」「学習機能とは?」「コンピューターがどのように物を見て認識するのか?」そんな疑問からスタートしました。スライドによる一方的な説明ではなく、学生の好奇心を刺激し、これらのテーマをより身近に感じられるようなアクティビティを取り入れて授業を進めます。
実際に使用したツールやアクティビティを紹介します。
- イライザとの対話:イライザとはセラピストの会話スタイルを模倣した、シンプルなAIボットです。この活動を通して、学生たちはルールベースのAIの仕組みや、初期のAIシステムがどのようにユーザーとやり取りしていたかを理解することができました。現在のChatGPTやCopilotのように、より賢く多様な情報を提供するAIとは異なる点を学ぶ良い機会となりました。
(参照リンク)https://web.njit.edu/~ronkowit/eliza.html
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グーグル・クイックドロー:学生が絵を描き、それをAIが何かを当てるゲームです。このアクティビティを通して、「教師なし学習」の手法やパターン認識の概念を導入し、機械が大量の人間のデータからどのように学ぶかを明らかにしました。
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ティーチャブルマシン:学生が画像認識や人体のキーポイント認識モデルを簡単に訓練できるウェブサイトを活用することで、トレーニングデータ、ラベル、モデルの精度といった基本概念に加え、「教師あり学習」手法の理解を深めることができました。創造的な実験を通じて、楽しみながら学習を進めることができました。
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グーグル・コラボコーディング:グーグル・コラボを用いて、基本的なPython コーディングを体験しました。学生たちはシンプルな機械学習スクリプトを実行し、パラメータを変更しながら結果の変化を観察することで、複雑な環境構築を必要とせずに機械学習アルゴリズムを実践的に学ぶことができました。(参照リンク)Link: https://colab.google/
これらの活動を通じて、学生たちは単にAIについて学ぶだけでなく、実践的な経験を積むことができました。AIがどのように機能するのかを体験し、機械には訓練が必要であること、データが重要であること、そして結果が常に完璧とは限らないということを学びました。
また、アクティブ・ラーニングを行うことによって、学生同士が助け合い、発見を共有し、共に振り返るという活気ある教室の雰囲気が生み出されました。これにより、学生たちは単にAIについて学んだだけでなく、主体的に学ぶという姿勢そのものを身につけることができました。この学びの姿勢は、将来どのような分野に進んでも価値あるものとなることでしょう。
アピラク・サンゲンチャイ
こんにちは。数学科目担当の木原 均です。2025年6月3日(火)に2年生の微分・積分の授業で行ったちょっとしたイベント「数学バトル」について紹介します。
微分・積分の普段の授業では毎回、その日に学んだ内容に関する問題とその解答を各自がそれぞれ作成し、クラスメイトとお互いにチェックし合うという活動を行っています。今回のイベントは、ちょうど中間テスト直前ということもあり、総復習の意味も込めて、普段行っていることをチーム戦という形式で実施しました。限られた時間の中で、より多くの問題を作成し、より多くの敵チームの問題を解答したチームが勝利となります。
「数学バトル」は今回が初の試みだったのですが、学生の皆さんはとても高い集中力で取り組んでいました。敵チームに解かれないよう出来るだけ難しい問題を作成している姿や、敵チームの問題を何としてでも解こうと試行錯誤している姿はとても印象的でした。もちろん限られた短い時間だったため、作成した問題や解答に不備が見つかることもありましたが、一方でとても素晴らしい問題をいくつも作り出してくれました。以下はそのような問題の一例です。
この問題は一見とても長く複雑そうに見えますが、授業で学んだことを使えば解き方はとてもシンプルです。ただし、答えを求める際は正確な計算力が必要となります。1つの問題の中にいくつもの要素が入っている大変素晴らしい問題ですね。
数学バトル中は、作成者も解答者もみんな笑顔で楽しそうに問題に向き合い、和気あいあいとした雰囲気でした。でも不思議ですね。もし私が似たような問題を中間テストで出題したら、おそらくブーイングが鳴り止まず、殺伐とした雰囲気になると思うのですが…。それはそうと、先ほどの問題の答えは184756分の1です。すごい値ですね。うーん、やっぱり中間テストに出すのはやめておいた方が良さそうです。それではまた。
チームごとに問題を作成
敵チームの問題を解答し、問題作成者に回答を確認
木原 均
こんにちは! シマエナガが大好きな3年生の武田 洋子です。現在は一学期の半ばで、授業にも慣れてきました。まだ数学などの本格的な理系科目がないので、比較的ゆっくりとした日々を過ごしています。さて今回は、私のニュージーランドでの生活を少し紹介したいと思います。
おばあちゃんにお手紙編
ニュージーランドの生活にも慣れてきたので、はがきをおばあちゃんに送ろうと、ニュージーランドらしさを感じられるはがきを探す旅に出ました。最初にお土産屋さんに突入しました。しかしピンとくるはがきはありませんでした。別のお土産屋さんにもなく、その後本屋さんに行きましたが、見つかりませんでした。最終的に「Paper Plus」という別の本屋さんで、かわいいKiwiとFantail(ニュージーランドの鳥)のイラストが描かれているはがきを見つけ、これに決めました。
書き終わった後、はがきを買った本屋さんに持っていくと、店員さんが対応してくれて切手と、青いシールを貼ってくれました。その後、店の前にあったポストに入れて完了です。まだ届いていないようなのでドキドキして待っています。
緑!鳥!筋肉痛!編
ダニーデン植物園に行ってきました。この植物園は学校から北に少し行ったところにあります。植物園に入ってから最初に向かったのは、温室です。この中には普段見かけないような植物がありとても面白かったです。私のお気に入りは、サボテンが並んでいるエリアです。
その後、見渡しが良い場所にあるベンチに座って、お昼を食べました。お日様が気持ちよく、こんな休日もありだなと感じさせてくれた時間でした。その後、地図で見つけた鳥がいっぱいいるらしい場所に行くことにしました。そこには色とりどりの鳥がたくさんおり、とても気分が上がったのを覚えています。鳥それぞれの名前は忘れてしまいましたが、お気に入りの鳥さんの写真を貼っておきます。
上り下りが激しい道を長時間歩いた先に待っているのは、そう“筋肉痛”。運動不足を実感させられました。一番手っ取り早い交通手段は徒歩なので、もう少し長時間歩けるようになりたいですね。
通学路編
犬か猫かと聞かれたら、私は迷わず「猫」と答えるでしょう。ですが、ホームステイ先のペットはわんちゃんでした。ちょっぴり悲しいです。とはいえ、通学路によく猫様が現れてくれるので、とても癒されています。つい嬉しくなって即席の撮影会をしていたところ、ほかの人に見られてしまい、少し恥ずかしかったです…これからはもう少し自粛しようと思います。
実は、友人から「このあたりには野生のハリネズミがいるらしい」との情報を聞きました。まだ一度も遭遇していないので、ぜひぜひ会ってみたいです。
慣れないこともたくさんありましたが、案外ちゃんと生活できていて自分でも驚いています。この調子で今後も頑張っていこうと思います。
武田 洋子
金沢キャンパスでエンジニアリングデザインの授業を担当している林 道大です。2025年5月12日(月)から17日(土)にかけてアメリカのサンノゼで開催された国際学会、SID Display Week 2025に参加してきました。
本校からの発表は2件で、タイトルは「Hyper-Realistic SDR/LDR Image Reproduction Proposal Needing Just Approx. 1/30th Exposure of Conventional SDR Image and Global-Tone Mapping, or 1D-LUT, in UHDR Environments Regardless of Time of Day」と「Research on Individual Differences in Ability to Recognize Obstacles Employing Binocular Stereopsis and Development of Stereoscopic Test Video Sequences for Analyses」です。
2件ともポスターセッションでの発表です。
※それぞれの詳細な内容はこちらよりご参照ください。https://researchmap.jp/Sakuichi_Ohtsuka/published_papers/50160420
https://researchmap.jp/Sakuichi_Ohtsuka/published_papers/50160352
1件目の内容は、デジタルカメラで撮影した画像がより自然に見えるような画像処理手法についてです。発表は大塚先生が行いました。研究の集大成といった内容で、提案した手法で処理されてとても自然に見えるようになった美しい写真が、大判の用紙に印刷されており、来場者の方々の注目を集めていました。2件目の内容は、両眼立体視の機能を評価できる動画に関する提案です。発表は5年生の三輪恵万さんが行いました。実際にその動画を見ることができるように会場に再生機器を持ち込んだり、立体視用に2枚の画像を印刷した資料を準備したりして、発表に臨みました。こちらもポスター前で来場者の方々と盛んにディスカッションが行われていました。
会場はアメリカ西海岸カリフォルニア州サンノゼの国際会議場でしたので、日本から移動する必要があります。三輪さんと引率教員のジャスティン先生といっしょに金沢から移動したのですが、小松、羽田、ホノルル、サンノゼと飛行機を乗り継ぎました。何度も飛行機を乗り継いだので、保安検査を何度も受けたり、入出国審査や税関を通過したり、とても忙しい移動となりました。新婚旅行以来のハワイでしたが、乗り継ぎの手続きがありますので、周辺を見る余裕はほとんどありませんでした。ただ、現在も日差しがまぶしかったことだけは記憶に残りました。サンノゼに到着した後は、別行程で移動していた大塚先生と合流し、発表の打ち合わせをしたり、ホテル近辺の案内をしてもらったりしました。
サンノゼは観光地ではありませんので、会場以外では日本人を見かけることはほとんどありませんでした。サンノゼはシリコンバレーから近いということで、IT系企業(Google、Adobe、PayPal、Zoomなど)の本社が多く存在しています。サンノゼでの移動には、路面電車やUberを使いました。路面電車に乗る時は、駅の自動発券機で乗車券を購入するのですが、改札や検札はなくそのまま車両に乗り込むことができました。一方、車が主な移動手段であるサンノゼでは、Uberが多く走っていて、専用のアプリを使ってすぐに呼ぶことができました。ドライバのみなさんも親切で、便利で安全に移動することができました。
また、サンノゼではジャスティン先生の高校時代の友達と会う機会がありました。ジャスティンが学校で「応用物理」を教えていると伝えると、「それは本当か?ジャスティンは勉強ができるのか?」と驚いているようでした。ジャスティン先生は高校時代も勉強できたと思うのですが、どうだったんでしょうか。
学会では他の参加者の発表を聞き、企業の最先端技術の展示を見てるうちに、予定していた期間があっという間に過ぎました。発表が終わった後、翌朝の飛行機でサンノゼを出発しました。帰りも行きと同じ飛行機の乗り継ぎで小松まで帰ってきました。無事に金沢に着いたら、なぜか金沢カレーが食べたくなりました。次回、2026年のSID Display Weekは2026年5月3日から8日にかけて、ロサンゼルスで開催される予定です。そこでも研究成果を発表することができるように、研究活動や学生指導を継続的に進めていきたいと考えています。
※大塚先生の発表がYouTube @charbax で掲載されました。
https://www.youtube.com/@charbax
「Paper: ICT Kanazawa Hyper-Realistic SDR/LDR Global Tone Mapping 1/30x Exposure」と検索してご覧ください。
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会場でみんな揃って
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Ema in front of her presentation poster準備できたポスターの前でちょっと恥ずかしそうな三輪さん
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Ohtsuka sensei preparing his posterポスターを一生懸命準備する大塚先生
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Ema discussing her poster with an attendeeポスター前でディスカッションする三輪さん
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Ohtsuka sensei explains his research topic研究テーマについて楽しそうに話をする大塚先生
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Near the conference venueサンノゼの街並み(会場前)
こんにちは。みなさんはじめまして!今年度から、ICT白山麓キャンパスで英語科目担当の一員になった、ヘイミッシュ・バーネットソンです。私はイギリス出身です。生まれはイギリス北部のスコットランドですが、子供の頃たくさん引っ越しをしたので新しい場所に来ることは慣れています。また私は、7歳の頃からボーディングスクールの小学校で過ごしていたので、家族から離れて学校生活を送ることがどのようなものか経験したことがあります!私は日本に10年以上住んでおり、東京、埼玉、千葉、新潟などのいくつかの地域で暮らしたことがあります。そして最近、白山麓へ家族と引っ越してきましたが、ここでの生活をとても楽しんでいます。これからたくさんの職員、学生たちと会えることを楽しみにしています。
学生たちが、全科目英語で行われている授業を受けている様子を見ることはとても興味深いです。皆よい友人関係を築き、新たな学びに一生懸命な姿が見られます。授業では互いに切磋琢磨し、英語で交流し、協力し、考えを発表することに慣れてきています。
前述したように、家族で引っ越して来たので白山麓キャンパス周辺でお会いすることがあるかもしれません。その時は気軽に「ハロー」と声をかけてください。家族と共にインターナショナルな環境で過ごし、様々な国の方たちと出会えることを嬉しく思っています。さらにここは、アウトドアにも最適な場所ですね!今後、学生たちと一緒にアウトドア活動ができたらと思っています。
学生たちの英語学習の向上のために全力で手助けをしていきたいです。また、学生たちがここでの生活を楽しんでもらえればと思っています。私は、学生たちが授業で出来る限り英語を使うように働きかけています。始めは大変かもしれませんが、徐々に慣れて英語を使うことがより自然に感じられるようになればと思います。
ICT での1年目を一緒に楽しみましょう!
ヘイミッシュ・バーネットソン