【高専・大学連携クラスター研究室事例紹介】 大学情報工学科教授の研究指導のもとで 国際高専3年生がAIを使った画像認識の研究に取り組む
国際高専の大きな特色の一つとして、4年生・5年生が金沢工業大学の研究室と連携して取り組む研究活動、プロジェクト活動があります。今回は一足先に国際高専3年生4名が金沢キャンパス内に設けられた高専・大学連携クラスター研究室「i².lab」(アイ・スクエアラボ)で取り組んだ研究活動についてご紹介しましょう。
「i².lab」は金沢工業大学情報工学科中沢実教授の研究室(専門:情報通信工学、ロボット工学、画像認識)の研究拠点にもなっています。最先端の設備が整い、自由な発想が広がる環境は、先日オンラインで開催された研究会で他大学の研究者からうらやましがられたというエピソードがあるほどです。国際高専生4名はこの「i².lab」で12月までAIを活用した画像認識の研究に取り組んできました。
研究内容について聴いてみました。
・AIを使った学内のDX(勝又舜介さん)
人間の動きをAIでデータ化するシステムに取組んでいます。画像ではデータ量が非常に多くなり、個人情報保護の観点からも活用が難しい面がありますが、開発中のシステムでは人の動きだけを認識するため、データ量は軽く、必要以上の情報を蓄積することもありません。食堂や自習室など学生が集まる場所の混雑度をリアルタイムで外部から確認することで、その場に行かなくても混雑が回避できることなどが期待できます。
・発表の態度評価システム(プラチャクタム・イッサダーさん)
プレゼンテーションをする際に、自分の発表しているときの態度や姿勢がわからないことが多く、言語表現に気をとられて態度を意識していないことがあります。そこでリアルタイムカメラで人の動きを撮影し、骨格認識するプログラムを作成しました。
AIに学習させ、プレゼンターの姿勢や動きを評価するシステムを開発し、姿勢が悪くなったら注意喚起するものです。今後は評価を点数化したり、アイコンタクトについても評価できるようにしたいと思います。
・画像認識を用いたマスク(深山寧皇さん)
コロナ禍でマスクの着用は必須になっています。そこで、私は画像認識システムを活用し、マスクを着けているかどうかをチェックするシステムに取り組んでいます。カメラで撮影し、マスクを認識するとモニター上で緑色に、マスクをしていない場合は赤色で表示されます。大勢が集まる際などにも容易に確認ができることから、様々なシーンでの活用が期待できます。
・画像処理を用いたゴミ判別 (鷺島悠人さん)
近年の自然環境破壊を少しでも食い止めるためには、ゴミの検知や分別を行うことが必須となっています。そこで、私は、画像認識システムを活用し、カメラ画像から自動的にペットボトル・缶・瓶・発泡スチロールを判別システムに取り組んでいます。カメラで撮影すると自動的にこれらのゴミを判別する事で、将来的にはロボットによるゴミ拾いシステムへの応用が可能となります。
参考webページ
KIT金沢工業大学 研究室ガイド 工学部 情報工学科 中沢実研究室