国際高専:国際高等専門学校

4年生が金沢工業大学の研究室でインターンシップ
ロボット開発やVRコンテンツの制作に挑戦
S4 students' presentation of their KIT research internship

S4 students' presentation of their KIT research internship

2022年7月27日(水)、国際高専4年生による大学研究室インターンシップ成果発表会が金沢キャンパスのChallenge Labで行われました。これは併設校金沢工業大学のロボティクス学科鈴木研究室にて行った研究体験の成果報告とデモンストレーションを兼ねたものです。開始前に鈴木亮一教授は「15コマよく頑張ったと思います。高専4年生は大学生で言うと1年生なのに、ここまでの成果を出せることは立派だと思います」と述べました。各発表後、教員から多くの質問やコメントが出されました。

いちごの摘果作業を行う遠隔操作ロボット(畠中 義基さん、佐藤 俊太朗さん)

共にロボコン活動をしている畠中さんと佐藤さんはいちごの摘果作業を遠隔で行うアシストシステムのプロジェクトに参加しました。いちごの摘果は残った実に栄養が集中するように、実の数を減らす作業です。判定は熟練者でも難しく、従業員の負担が大きい作業であるため、高齢者や体が不自由な方でも自宅から行えること目指した研究です。畠中さんはロボットの体とアーム部分を接合する部品を作成しました。特徴はボルトを外せば実機と卓上の切り替えが容易になっている点です。佐藤さんはVNC viewerを使用し、Raspberry PiでPC、スマホからロボットアームを操作できるようにプログラムを作成しました。発表後、2人は実際にロボットアームをスマホで操作するデモンストレーションも行いました。今後の目標としては、画面の向こう側のロボットの状況を表示するシステム、接続と操作が可能なアプリの開発、実際に摘果と収穫を実現することとしました。


ごみ分別声かけロボット(田中 杏奈さん)

田中さんはRaspberry Pi、超音波センサー、スマートスピーカーを使ってごみ分別の声かけをするロボットを開発しました。エラーが多発するトラブルにも見舞われましたが、先輩大学生のアドバイスを受けながら配線とプログラミングを見直して完成に至りました。将来的にはセンサーが反応した値に合わせて今日の予定、天気、ニュースなどを話すようにしたいと言います。また、質疑応答で先生にこれまであまり挑戦していなかったRaspberry Pi、配線、プログラムのプロジェクトを選んだ理由を聞かれ、「色んなことに応用できると思って、挑戦しました。難しかったけど、頑張ったら色んなアイデアが生まれました。プログラムの基本は高専の授業で学んでいたので、本を元に書きました」と答えました。

ごみ分別声かけロボットを開発した田中さん

 

VR宝探しゲーム(種村 真央さん、德山 美結さん)

種村さんと德山さんはゲームエンジンのUnityを使ってゲーム開発に挑戦しました。Unityで使用できる3Dモデル、オーディオ、テクスチャなどのアセットをダウンロードし、C#言語を使ってタイマーやゲーム終了の処理などをプログラムしました。初挑戦だったためシンプルな宝探しゲームにし、仮想空間の部屋に家具や光が差し込む窓などを設置しました。プレイヤーは隠されているスイーツを見つけることでゲームクリアとなります。最初はゲーム開発の右も左もわからない2人も、数週間経った頃には先輩の助けなしでも作業できるように成長しました。デモンストレーションではルイス・バークスデール校長が実際にゲームに挑戦しました。機会があれば今度は金沢工業大学をVRで探検できるサービスか、水族館を作ってみたいと言います。

教育用アルコール分解ゲーム(井上 武虎さん)

ゲーム開発に興味がある井上さんはVRを利用した教育コンテンツの開発に挑戦しました。使用したソフトはゲームエンジンのUnity、3DモデリングのBlender、Steam VRで、小学生が理科に興味を持ちやすくするために酵素となってアルコール分子を分解するゲームを考案しました。Blenderでアルコール分子のモデリングを行い、肝臓をイメージしたフィールド内でタイトル画面、ゲーム画面、リザルト画面、残り時間の表示などをUnityでプログラムしました。飛来するアルコール分子をクリックすることで撃退できるようになっています。インターンシップ期間内に間に合わなかったスコア表示、VR機能などを悔やむ井上さんでしたが、デモンストレーションで実際の画面を見せた教員からは「よくここまで作った」という賞賛のコメントが挙がっていました。

井上さんが作ったアルコール分解ゲーム

 

Challenge Labとは】
Challenge Labは金沢工業大学の研究室が学部学科、研究室の枠を超えて集まり、新しい技術に挑戦するための場です。国際高専4年生、5年生が金沢工業大学の研究室(学部4年生、大学院生)と研究に取り組む高専・大学クラスター研究プロジェクトの拠点の一つとなっています。
金沢工業大学では、Society5.0をリードする人材を育成するために、デジタルを活用した大学教育・Edu-Techを推進しています。Challenge Labでは、Edu-Techを推進する場として、VRヘッドセットやARヘッドセット、3Dカメラ、高精度ハンディ3Dスキャナなどのデジタル機器を用いて課題解決に取り組める環境が整っています。
また3Dプリンタやカッティングマシン、5軸加工機なども置かれ、アイデアを具体化し、社会実装に向けた研究開発が日々行われています。


金沢工業大学鈴木亮一研究室
工学部 ロボティクス学科 鈴木亮一 研究室はエンジニアリングデザインアプローチによる生活支援技術、福祉医療支援技術の開発研究に取り組んでいます。
2022年7月にはロボティクス学科9研究室のうち、鈴木研究室を含む3研究室が国際高専金沢校舎が入る31号館に移動し、ロボティクスラボを開設。大学、高専にとどまらず、地域や企業の共同研究者などさまざまな人が交わる共創の場を目指しています。

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