【国際高専の学生・教員が村山 金沢市長を表敬訪問】
国際高専の学生・教員が3月26日(水)、村山 卓 金沢市長を表敬訪問し、2月21日(金)に金沢工業大学イノベーションホールで開催されたアジアの学生達によるスタートアップ競技会「ICT STARTUP COMPETITION 2025」(主催:国際高等専門学校)について報告を行いました。
「ICT STARTUP COMPETITION 2025」は、学生が独創的なビジネスアイデアを考え、英語で投資家役の審査委員に説明する “スタートアップ競技会”です。 審査委員はスタートアップ分野で活躍する国内外の専門家で、質疑応答も英語で行われます。第2回目となる今回は国際高専のほか、タイ、べトナム、マレーシアからの学生も参加。11チームでビジネスアイデアを競いました。
報告会では、鹿田 正昭校長とトッサ・メブサヤ准教授が国際高専の特色や競技会の概要を説明した後、本競技会にて2位を受賞した国際理工学科4年の木下 観さんと、1位を受賞した国際理工学科1年の中澤 円香さんがそれぞれ、ビジネスプランの概要や今後の展開等について、村山市長に発表しました。
●木下 観さんのビジネスプランについて
「Bee-Life-Colony 受粉ビジネス in 芦原 」
国際⾼等専⾨学校国際理⼯学科4年 ⽊下 観
本取組の⽬的は、現在の受粉システムにみられる無駄をなくし、養蜂家と農家の関係を⼤事にした地域のコミュニティーづくりの⼀環となることができるような受粉システムの構築を⽬指すものです。
農家の⽅々は果物や野菜の栽培時にきれいで効率よく果実を実らせるために、⻄洋ミツバチを使い受粉を⾏います。その際に使うミツバチは使い捨てのような形で扱われており、⽤が済んだ巣箱、ミツバチ、はちみつは受粉完了次第焼却処分されています。本来はミツバチをしっかりと管理することができれば、冬をまたいで何年もかけてともに働くことができます。しかし農家には⼗分に管理できる時間やスキルがありません。養蜂家との関係は巣箱を取引した時点で終了し、それ以上の関わりはありません。 養蜂家であるBee-Life-Colonyでは、このもったいない問題を解決すべく、農家に歩み寄ります。近隣の農家に巣箱を必要な期間だけ貸出、その間Bee-Life-Colonyから養蜂家が巣箱の状態を保つために定期点検に⾏います。これにより受粉後も巣箱の運⽤をすることが可能になります。それだけでなく受粉によりミツバチたちが集めてきたはちみつを得ることができます。
Bee-Life-Colony では農家の要望に応じて、農家に直接販売します。売れ残った分のはちみつは Bee-Life-Colony が⾃社で販売します。
あわら市にはたくさんのフルーツ農家がおり、フルーツ王国として盛り上げていこうとしています。この受粉ビジネスはその流れにピッタリと寄り添い、農家を巻き込んだより⼤きな流れを⽣み出すことができると考えています。
(金沢市長への報告会資料より)
●中澤 円香さんのビジネスプランについて

「FUKUIKU」
国際⾼等専⾨学校国際理⼯学科1年 中澤 円⾹、万江 琴莉
本取組の⽬的は、海外留学など新しい環境での⽣活に慣れず、不安やホームシック等を抱える⽅々に対し、思い出や懐かしい⾹りを含むアイテムを携⾏できるようにすることで⼼の拠り所を提供し、新たな環境での挑戦を⽀え応援することを⽬指すものです。
本校では、3年⽣は約⼀年間の留学プログラムに参加します。しかし、その留学期間中にホームシックになる学⽣もいると聞きます。そしてそのような時は、⽇本の知り合いに連絡をとったり、⽇本⾷を⾷べる等、懐かしい⼈やものと関わることで気を紛らわしたり、元気を取り戻すこともあるようです。そこで着⽬したのは、⾹りから伝わる思い出は、視覚によるものより、より強く印象に残ると⾔われており、⾹りを通して懐かしさや慣れ親しんだ環境を⾝近に感じてもらうことです。
本サービスでは、100種類以上の⾹りデータから、ユーザーの出⾝地や趣味などに基づいた最適な⾹りをAI分析を活⽤し提案します。そして選ばれた⾹りを保ち、いつでも持ち運べる⾹るお守りとして提供します。将来的には、周囲の⾹りを回収し、オリジナルの⾹りを抽出するFUKUIKU マシンの開発とレンタルサービスの展開を計画しています。
どこか懐かしい馥郁を⾝につけることで、⼀⼈暮らしや留学、新たな環境で挑戦する⼈々を⾹りで応援します。
(金沢市長への報告会資料より)
二人が発表した後、村山 卓金沢市長と 喜多 浩一金沢市議会議長から以下のコメントをいただきました。
【村山 卓金沢市長のコメント】
起業は世界のどこででも可能です。交渉をしたり、仲間をつくったりするためには、コミュニケーション力としての英語がますます重要になっています。皆さんが取り組まれているように、身近な課題からイノベーションを起こすこともできると思います。課題を考える力を身につけ、アントレプレナーシップを育む教育を今後とも続けていただきたいと思います。
【喜多 浩一金沢市議会議長のコメント】
Facebookの情報でスタートアップコンペティションが行われることを知り、会場を訪れました。すべて英語で行われていて、高校1年生に該当する学生が英語でプレゼンテーションしていることにも驚きました。今後は会場を金沢市内に移して、多くの金沢市民や学生にこのようなイベントがあることを知らせると良いと思います。金沢発のスタートアップ創出ができればすばらしい。国際高専はその先鞭であると感じました。
【このたびの表敬訪問と報告会を終えて】
このたびは、国際高専のスタートアップの取り組みについてご報告する機会をいただき、ありがとうございました。
国際高専はグローバルイノベーターの育成を目指して、1年生から英語で、数学や物理、化学、 ITやAI、ロボット工学を学ぶSTEAM教育と、新たな価値を生み出すエンジニアリングデザイン教育を実施しています。 学生が生み出したアイデアをビジネスに結びつけられるよう、イノベーションや価値創造、ビジネス戦略に焦点をあてた「イノベーション基礎」などの授業も英語で行われています。
今後も国内外のコンテストを通じて、学生たちのビジネスマインド・起業マインドを醸成してまいります。