留学の終わり

こんにちは。3年生の中澤 琉月です。以前、このICTジャーナルで自身のニュージーランドでの日常生活について書かせていただきました。その後も、温かいホストファミリーに囲まれ、充実した日々を過ごしていましたが、2026年3月15日、私たちは滞在先のダニーデンを発ち、翌日に日本へ帰国しました。今回は、帰国日が近づく中で過ごした日々や、留学を振り返って感じたことを紹介したいと思います。

3月に入ると、節目となるイベントや帰国に向けた手続きが増え、留学の終わりを実感する機会が多くなりました。出発10日前に行われたICT生の留学プログラム修了式では、修了証の授与に加え、ICT生がそれぞれのホストファミリーの前でニュージーランドでの生活を発表し、その後は一緒にケータリングを楽しみました。ホストファミリーの前での発表は少し照れくさかったですが、この一年間の生活や思い出を振り返る良い機会になりました。同級生のホストファミリーとの面白いエピソードも聞くことができ、とても温かい雰囲気に包まれた会だったと感じています。またその帰りにはホストファザーがビーチ周辺のお店でジェラートを買ってくれたという出来事もあり、ささやかな幸せを感じられた日でした。

出発の2日前には、オタゴポリテクニク全体での卒業式があり、私たちもアカデミックガウンを着て参加しました。卒業生が街の中心部にある会場まで歩くパレードでは、街全体が卒業生を祝うムードに包まれていて、とても新鮮に感じました。会場はとても豪華なホールで、式典ではマオリのパフォーマンスなどもあり、思い出に残る卒業式となりました。

出発当日には、早朝にもかかわらずホストマザーとホストファザーが見送りに来てくれました。日本へ帰ることを楽しみにしていたこともあり、ホストファミリーとは明るい気持ちでお別れできると思っていました。しかし、最後にバスへ乗り込む前、ハグを交わした瞬間、この一年間お世話になったことや、つらい時に支えてもらったことが一気によみがえり、思いがけず涙がこぼれてしまいました。お別れをした後も、空港へ向かうバスの中でいろいろな思い出を振り返りながら余韻に浸り、少し泣いてしまいました(涙もろいタイプです笑)。もちろん、しばらく会えなくなる寂しさからの涙でもありましたが、同時に「もっとホストファミリーに喜んでもらえるような形で感謝を伝えたかった」という後悔の涙でもありました。

この一年間の留学は、私の思い描いていた理想通りにはいかなかった部分もあり、それを目指して十分に行動できなかったという反省もあって、総合的な自己評価は高くないと感じていました。しかし、その評価に関わらず、日本とは全く違う環境での日々が自分の「普通」や「日常」になり、そこから離れることを寂しいと思えるほどに馴染んでいたのだと、この涙から実感することができました。その自分の中の「普通」や「日常」が変わる経験ができたことだけでも、確かに成長につながっているのではないかと思っています。

こうした反省や、日本とは異なる環境に身を置くことの面白さを知ったことで、いつかもう一度、海外留学に挑戦したいという気持ちが生まれました。そして、新しい環境に飛び込むという意味では、来年度から始まる金沢での新生活もまた、大きな挑戦の一つです。いつかまた海外に行ける日を目指して、英語力の向上・維持に努めながら、これからも新しいことをたくさん吸収し、自分自身を成長させていきたいと思います。

中澤 琉月

卒業式の日のパレードの様

Graduation Parade卒業式の日のパレードの様

アカデミックガウンを着て街中で撮影

In the city, wearing an academic gownアカデミックガウンを着て街中で撮影

出発当日にホストファミリーからもらったチョコレート

Chocolate given by my host family on the day of departure出発当日にホストファミリーからもらったチョコレート

 

イラスト:林 道大先生(掲載許可済)

Illustration by Prof. Michihiro Hayashi (used with permission)イラスト:林 道大先生(掲載許可済)

こんにちは。国際理工学科の大塚 作一です。今回、2021年4 月の着任以来5年間の国際高専勤務を終えるにあたり、最後の業務としてICT Progressの編集統括を担当させていただきました。

ICT Progressは国際高専の教職員による教育改善の実践事例をまとめた年次報告書であり、教育の質の向上を目的として毎年発行しているものです。昨年は、規約類を整備しWeb上で外部公表を行うように発行形式を改めました。2回目の今年は、さらに規約類を補訂し、内容についてもより充実させました。

本記事は「ICT金沢ジャーナル」の記事としては少々異色で堅苦しい内容になりますが、このジャーナルの読者である一般の皆様にも国際高等専門学校がSTEAM教育(* 注参照)をどのように実践しているかを具体的にご理解いただくきっかけとなれば幸いです。

* 注:Science(科学)、 Technology(技術)、 Engineering(工学)、Mathematics(数学)を統合的に学習する「STEM教育(ステムきょういく)」に、 さらにArts(リベラル・アーツ)を統合する教育手法

 

さて、改めて言うまでも無いことかもしれませんが、文部科学省のホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kousen/index.htm)から高等専門学校の主要な特色を引用すると、「高等学校と同じく、中学校を卒業した方が入学することができ、入学後は5年一貫で、一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、技術者に必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につけることができます。」とあります。特色と表裏一体となる教育の特殊性としては、入学時の対象は「初等中等教育」で卒業時の扱いは「高等教育」に位置付けられることが最大の要因だと考えらます。その特殊性に起因して、表現は異なりますが、車の両輪、即ち、シラバスとしての「一般科目と専門科目」、および、学修結果としての「豊かな教養と体系的な専門知識」が記載されております。

ここで、本内容を上述のSTEAM教育と照らし合わせてみると、”T”と”E”は明らかに後者に属しますが、”S”と”M”は中間的、そして、”A”は前者に属します。したがって、教育の実践においては、両者は簡単に割り切れるものではなく、科目間の連携や時期等にも細心の注意が必要であることがご理解いただけるものと思います。

そこで、教職員自らが「教育改善の個別実践事例」を積み重ねてゆくことが重要です。ここでは、実践と発表・記録(情報共有)が車の両輪であり、記録である「ICT Progress」では、記事の内容(質の維持)と読みやすさが車の両輪となります。また、学校内部では教職員相互の発表・討論の場として、毎年「教育成果発表会(本年度は3月26日開催)」も開催しております。そして、これらは学生さんたちへのSTEAM教育の実践の鏡としても捉えることが出来るでしょう。その意味で、この掲載記事がこれから高専への入学を検討されている一般の皆様のお目に留まれば幸いです。

最後に、鹿田 正昭校長のリーダーシップの下、執筆者として多忙な業務の間をぬって執筆にご尽力いただいた皆様、編集の立場として査読にご協力いただいた皆様(特に英文校閲にもご協力いただいたステファニー・レノルズ先生)、そして、記事の書式を丹念に整えて頂いた事務局の南戸 仁美さんにこの場をお借りして改めて感謝の意を表します。併せて、今後も、国際高等専門学校が、多様性を基軸にした独自性を活かし、益々ご発展を遂げられることを祈念しております。

以下に本年度のICT Progress の目次と巻頭言を掲載しておきますので、4月以降に電子参照が可能になりましたらご覧ください(URLは4月以降追記予定)。また、最後の挿入写真は手許にあった国際高専の「車の両輪」を超えた多様性を象徴する一齣として、昨年度開催の第1回チーム対抗駅伝大会(2024年11月8日実施)の写真を掲載させていただきます。初めてご覧になる一般の方々にも、学生さんと教職員の間の一体感、そして、国際高専の名に恥じない国際性豊かな一体感を感じていただければ幸いです。

写真撮影:大塚 作一(本人のレタッチによる)

Photography: Sakuichi Ohtsuka (retouched by the photographer)写真撮影:大塚 作一(本人のレタッチによる)



大塚 作一


 こんにちは。白山麓キャンパスでラーニングメンターを担当している、シャルミー・アブワンです。2025年度の終わりにあたり、今回は、金曜日に開催する参加自由で特別なワークショップについての1年間を振り返ります。

 この特別なワークショップは、普段のラーニングセッションとは少し違った雰囲気がありました。普段の授業では取り上げにくいさまざまなスキルを学生たちがじっくり集中して取り組み、学業と人格形成の両方を成長させてくれる良い機会となったと思います。今年のワークショップは、大きく分けて3つの内容で構成されていました。

1. 自己成長ワークショップ

 年度の初めには、整理整頓、ノートテイキング、時間管理といった、基本的なことだけれど非常に重要な習慣に取り組みました。最初の整理整頓ワークショップでは、学生たちがフォルダーいっぱいのバラバラなプリントを持って参加してきたことをよく覚えています。私たちは一緒にそれらを分類し、整理し、整えました。とてもシンプルな作業でしたが、確かな効果がありました。その後、いくつかの学生が課題提出の遅れに悩んでいることに気づき、時間管理のワークショップを実施しました。1週間の予定を立てること、大きなタスクを小さなステップに分解することなどを話し合いました。進歩は静かでゆっくりでしたが、確かなものでした。学生たちは以前よりもお落ち着いてきて、より主体的に動けるようになっていきました。締め切りに追われる日々が、少しずつ自分で時間と責任を管理する姿へと変化していきました。

2. 楽しいレビューゲームのワークショップ

 数ヶ月経つと、金曜日のワークショップはよりワクワクするものになりました。
学生たちは「The Secret Billionaire」、「The $10,000 Tournament」、「A Stairway Challenge」のようなゲームや課題を通して、STEAMの概念を実践的に復習しました。どのワークショップも笑い声で満ちていて、問題解決への意欲とチームワークがあふれていました。教室で学んだ内容を、自然で楽しい形で活用している学生の姿を見るのはとても嬉しいものでした。

The Secret Billionaire
The $10,000 Tournament

 

A Stairway Challenge

3. IELTS ワークショップ

 後学期になると、ワークショップの内容はIELTS対策へと変わりました。試験日が近づくにつれ、雰囲気はより静かで集中したものになりました。学生たちが試験当日に自信を持って臨めるよう、安心できる環境の中でスピーキング、ライティング、リスニング、リーディングの練習に励みました。継続して参加するうちに、学生たちは英語を使うことに自信を持つようになり、以前のためらいは消え、積極的に挑戦しようとする姿へと変わっていきました。

 最後に、これらのワークショップを特別なものにしていたのは、内容の構成と楽しさのバランスが絶妙だったからだと気が付きました。学生たちは「行かなければならない」からではなく、「行きたい」から参加していました。この金曜日の時間は、学生たちにとっても、私たちラーニングメンターにとっても、成長につながる特別なひとときでした。

シャルミー・アブワン

白金祭2026について


 こんにちは。白金祭運営委員長の伊藤 周です。
 今回は、2026年2月22日(日)に開催された「白金祭2026」について振り返りを書かせていただきます。なお、当日の企画内容についてはTopicsでも取り上げていますので、そちらもぜひご覧ください。

 今年は過去最高となる114名の皆さまにご来校いただきました。在校生のご家族や地域の小中学生、OB・OGの方々など、多様な方に足を運んでいただき、白金祭というイベントの認知が着実に広がっていることを実感しました。今後もより多くの方に楽しんでもらえるよう、さらに魅力的なイベントへと成長させていきたいと思っています。
 今年の白金祭は、例年以上に新企画が多く登場したことが大きな特徴でした。「高専紅はるか」の焼き芋販売や、自作ゲームを体験していただくゲームコーナーは今回が初の試みです。アンケートや学生の感想からも大変好評で、どちらも大きな盛り上がりを見せていました。企画に尽力してくれた学生の皆さん、そして支えてくださった先生方に心から感謝しています。
 加えて、白金祭の定番、そして“1番の目玉”ともいえる学内ロボコン、これまでの練習成果を披露するピアノ演奏も大変盛況でした。一方で、恒例となっていたバンド演奏が実施できなかった点は残念でしたが、来年度はぜひ実現できるよう準備を進めてほしいと思っています。

 今年度の後学期は、期末テストが1週間後ろへずれた影響で、テスト終了後から白金祭までの準備期間が例年より短くなってしまいました。さらに、2月の課外活動期間は白金祭以外にも多くの活動が重なり、学生たちは非常に忙しい中で準備に取り組んでくれました。この経験から、これからはより効率よく準備を整える仕組みづくりが必要だと感じました。
また、実行委員の中でも直前に体調不良者が出るなど、開始直前まで慌ただしい場面もありましたが、無事に白金祭を終えることができました。実行委員の学生たちには、この成功体験と反省点のどちらも大切な財産として、来年度の学生生活に活かしていってほしいと思います。

伊藤 周

 こんにちは。物理科目担当の伊藤 周です。今日は2026年2月16日、18日に行われたイラストワークショップについて書きます。白山麓キャンパスでは2月になると課外活動期間と呼ばれる、様々なワークショップや普段の様々な先生方が企画する、授業ではやれない特別な課外活動を行う期間になります。

 イラストワークショップは今年で3回目です。昨年に引き続き、イラストレーターの伊吹revさんをお呼びして行われました(伊吹revさん、今年もありがとうございました!)。今回のテーマは「ステッカーパックを作ってみよう」ということで、一昨年のイラストワークショップで生まれた国際高専オリジナルキャラクター「栗原あかね」をテーマにステッカーパックを作成しました。
 初日は伊吹revさんからイラストレーターという職業、キャラクターやちびキャラの描き方についてのレクチャーがあり、その後、参加した学生一人一人がイラストを作成しました。2日目にそれらをまとめたデータとして印刷し、カット作業を行いました。余白を残してハサミでカットし、パックに詰めてまとめるというやり方で、なかなか苦労しながらでしたが、かなりクオリティの高いステッカーパックができました。また、AIとの付き合い方、著作権の取り扱いなど、プロとして活躍している方からの現場の考え方を伺うことができたことが大変興味深いものでした。学生たちもイラストの描き方やイラストレーターという職業について積極的に質問していました。
 今回参加した学生たちはもともと絵を描くことが好きな学生が多かったこともあり、自分の描いたイラストがステッカーとして完成していくプロセスを楽しんでいてくれたようでした。私自身は絵を描きませんが、目を輝かせている学生を見ると、このワークショップを企画して良かったと思います。

 最後に、伊吹revさん、2日間のレクチャーありがとうございました!伊吹revさんの丁寧で面白く、ためになるスライドや親切な指導をとても感謝しています。来年も是非国際高専にお越しくださいね!

1日目

2日目

伊藤 周

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