デザイン&ファブリケーションクラブ顧問の林 道大です。
2024年10月5日(土)、6日(日)、沼津市で開催された「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(高専ロボコン)2024東海北陸地区大会」に参加する学生を連れて出張に行ってきました。沼津市は静岡県の東側に位置しており、国際高専の金沢キャンパスからは、もっとも遠い地区大会の会場です。選手と指導教員は、そこまで貸し切りバスで移動しました。片道の移動時間が約8時間の長旅となります。学生たちは休憩で立ち寄ったPA/SAで、お菓子やファストフードなどを買ってバスの中で食べていました。特に白山麓キャンパス周辺には店舗が少ないので、高速道路のお土産屋さんが珍しかったのかもしれません。
今年の高専ロボコンのテーマは「ロボたちの帰還」で、ロボットがロボットを発射して、オブジェクトを回収して戻ってくるルールとなっています。ロボットを発射すると、どうしても着地時に衝撃が加わりロボットが壊れたり、調子が悪くなったりするので、衝撃を吸収する仕組みが必要になります。また、オブジェクトを回収して戻ってくるときも、飛び越えなければいけない障害があるので、どのように飛び越えるのか工夫が必要です。
本校からは金沢キャンパスのAチーム「ХАЙРТАЙ ШҮҮ 3k」と、白山麓キャンパスのBチーム「飛び砲台」の2チームが参加しました。Aチームのキャプテンは4年生でモンゴル出身のセルゲレン・サンサルさんです。そのため、チーム名がモンゴル語となっています。興味のある方は意味や発音を調べてみてはいかがでしょうか。
Aチームのロボットは衝撃吸収にエアバッグ、帰ってくるときはクレーン車のようなアームを伸ばす仕組みを考えて製作しました。3名しかメンバーがいないので、いろいろな作業に時間がかかり、ロボットの調整をしっかりと最後まで行うことができませんでした。大会当日も、会場で調整作業を進めましたが惜しくもエアバッグをつかってロボットがふんわり着地する様子を見せることはできず、予選リーグ2敗という結果となりました。しかし、少ない人数での活動にも関わらず、ロボットにさまざまな工夫を取り入れたことを評価され、「デンソー特別賞」を受賞しました。
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Interviews just before the match (Team A)試合直前の取材対応(Aチーム)
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Adjusting the robot at the Kanazawa campus (Team A)金沢キャンパスで調整中(Aチーム)
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Relaxing after the match (Team A)試合後のリラックス(Aチーム)
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Prototype of Airbag (Team A)エアバッグの試作品(Aチーム)
Bチームのロボットは着地で上下がさかさまとなっても、ロボットが動作を継続できるように構造を工夫しました。また、オブジェクトの回収のために、ピッチングマシンのような回転ローラーを使うロボットを製作しました。こちらも、大会直前まで放課後にメンバーが集まってロボットの調整を続けたのですが、重量増の解消のための軽量化に苦労し、ロボットのトラック積み込み日には間に合わなかった改良部品を、バス移動する選手が会場に持ち込むことになりました。その結果、大会の計量計測検査を無事にパスすることができました。試合ではロボットを飛ばして、着地させる様子をアピールすることができ、予選リーグでは1勝1敗の成績となりました。また、低学年の学生たちの取り組みも評価され、「マブチモーター特別賞」を受賞しました。
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Adjusting parts in the bus (Team B)バスの中でも調整中(Bチーム)
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Final adjustment of the robot at the venue (Team B)会場での最終調整(Bチーム)
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Nervousness just before the game (Team B)試合直前の緊張感(Bチーム)
両チームともに決勝トーナメントへの進出や、全国大会への推薦校となることは成し遂げることはできませんでしたが、日頃の活動の成果を十分に発揮できたのではないでしょうか。もしかしたら「失敗した」、「悔しい」と思っている学生もいるかもしれませんが、それらも次の活動への糧となることを期待しています。
林 道大
こんにちは、学生主事の小髙 有普です。今回は学生が地域の企画運営に参加した内容について紹介したいと思います。
2024年9月23日(月)の祝日に、本校前の畑において、アサギマダラ(※)のマーキングイベントが開催されました。
※アサギマダラとは、あさぎ色(薄い水色)をしたまだら模様の翅(はね)から名前がついた蝶々で、海を渡って数千の長距離移動をする蝶々として知られています。その移動状況調査の為、鱗粉の少ないあさぎ色の部分に日付と捕獲場所が分かるよう油性ペンでマーキングされることが行われています。フジバカマなどキク科の花を好んで集まり、その蜜に含まれている毒が繁殖や身を守るうえで用いられていると言われています。また、アニメ「鬼滅の刃」に登場するキャラクターのモデルになっているとも言われています。
昨年度のアサギマダラのマーキングイベントについてはこちら
2年の学生たちは、辰口まちづくり協議会、白山ろく里山活性化協議会、アサギマダラファンクラブが運営するイベントに協力する形で参加しました。白山麓キャンパスの前の休耕田では、アサギマダラが集まるように、フジバカマの栽培が行われています。エンジニアリングデザイン科目において、そこに飛来するアサギマダラという環境資源を活かすため、アグリビジネス班の学生たちが、今年度の4月から企画構想を始め、学生らしい視点による創造で地域活性に挑みました。
学生たちは、地域住民とそうでない方がイベントを通じて継続的に交流することを目標とし、参加するすべての人が思い出に残るように、企画運営の中に細かな工夫を凝らしました。
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Advertising at Sena Roadside Station宣伝活動(道の駅 瀬女に掲示)
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Lecture about Marking Asagimadaraマーキング講習会
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Marking Asagimadaraマーキングの様子
フォトスポットの設置
アサギマダラを見に来てくれたすべての人のために設置したフォトスポットでは、多くの人が撮影していました。学生たちが設けたフォトスポットで思い出の写真を撮っている姿を見ると嬉しく思いましたし、記念を残したい気持ちに応えることができたのではないかと思います。
小学生対象のグッズ作り
マーキングイベントへ参加した小学生たちは、午後から2年生の指導のもと、オリジナルグッズを作成しました。グッズはアサギマダラをイメージしたヘアグリップやマグネットで、小学生たちは配色や配置を工夫しながら装飾を加えて仕上げていました。
グッズ販売、ものづくり体験企画
道の駅に立ち寄り、今回のイベント情報を得てアサギマダラを観察に来られた方には、アサギマダラの生態が記された図鑑付きのキーホルダーをカプセルトイで販売しました。また、記念としてキーホルダーをレーザーカッターで制作するものづくり体験教室を実施するなど、国際高専生ならではの企画を試みました。
学生たちは地域住民と交流人口の関わり方について考え企画を実施しました。その後の学生たちの振り返りでは、次の開催がより充実した企画となるための意見が多くありました。次の年に引き継ぐ学生たちは今回の意見を汲み取り、さらに充実したイベント開催が期待できます。
今年は暑さの影響か、アサギマダラの飛来数はとても少ないものでしたが、来年は多くのアサギマダラが飛来することを願っています。
小髙 有普
こんにちは。白山麓キャンパスで英語科目担当のイアン・スティーブンソンです。
2024年10月24日(木)、白山麓キャンパスでの恒例行事となる「ジャック・オー・ランタン」作りを開催しました。今年は天候と野生猿の影響により、私の庭でパンプキンを収穫することができなかったので、今年のジャック・オー・ランタンは全てペーパーマシェと呼ばれる紙粘土の素材を使って製作することになりました。
ペーパーマシェ作りに興味がある方はこちらのリンクをご覧ください。
白山麓ジャーナル「November 19, 2022 Making Jack-o’-lantern」
1年生の万江 琴莉さん、中澤 円香さん、伊藤 綾音さん、村山 毅さん、そしてラーニングメンターのシャーデー・モーア先生がそれぞれのジャック・オー・ランタンをつくり、仕上がったジャック・オー・ランタンの中にライトを入れ、校舎の向こう側にある「道の駅 瀬女」から見える位置に吊るしました。中澤さんは牙を切り出して星の目をしたモンスターを作り、シャーデー先生はサンリオキャラクターのシナモロール、万江さんは緑の髪の毛のジャック・オー・ランタン、伊藤さんは「カボカボ」というオリジナルのパンプキンキャラクター、村山さんのパンプキンはコウモリへと姿を変えました。
製作過程はこちらのリンクをご覧ください。
@ictkanazawa 白山麓キャンパス(1、2年生)でジャック・オー・ランタン製作が行われました🎃🧡🧡 #国際高専 #ict #ハロウィン #Halloween #白山麓キャンパス #石川県 #kosen #kosenjapan #寮生活
♬ オリジナル楽曲 - 読み込み中... - 無理なんだが。
ジャック・オー・ランタンのデザインから始め製作過程は、みんなの笑顔と笑いで溢れるとても楽しい時間でした。余った3つのパンプキンは中にお菓子を詰め込んで、ハロウィン当日に学生たちが叩き割るメキシコ伝統のピニャータとして使用しました。ピニャータのデザインは学生たちによって投票され、結果はお化け、ピカチュウ、カメムシとなりました。
@ictkanazawa 白山麓キャンパス(1、2年生)でピニャータが行われました🪅🎃ピニャータとは、メキシコのお祝い事で有名な行事で、くす玉を叩いて割るゲームです。お菓子が飛び出す瞬間が大いに盛り上がりました🍭🍬🎃#国際高専 #高専 #石川県 #白山麓キャンパス #ict #internationalcollegeoftechnology #kosen #halloween #pinata #party #ピニャータ #仮装 #パレード #costume #funevent
♬ CRAZY - LE SSERAFIM
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Me and Ayane私と伊藤 綾音さん
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Kotori万江 琴莉さん
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Madoka中澤 円香さん
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Sade senseiシャーデー・モーア先生
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Takeshi村山 毅さん
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Ayane and Kabo Kabo伊藤さんとカボカボ
イアン・スティーブンソン
こんにちは、国際高専3年生の夏木 亮凪です。僕は現在、ニュージーランドのダニーデンにあるオタゴポリテクニクにて留学中です。この留学は国際高専の3年生のプログラムとなっており、毎年学生がニュージーランドでホームステイのもと、一年間生活しています。今回は僕が体験したニュージーランド留学でのホームステイ生活や放課後の過ごし方、残念な出来事についてお話していきたいと思います。
最初に、「ニュージーランドでのホームステイ生活」について話していこうと思います。自分のホームステイ先は学校から車で40分程かかる遠い場所にあります。下校の際はバスに乗るのですが、乗り換えをしなければならなく、バスの数も少ないので、夜は友達と出かけることがほとんどありません。その分、夕食後に海まで散歩するなど、ホストファミリーと過ごす時間を大切にできています。また、ホストファミリーの方も本当の親のように接してくださるため、生活習慣が崩れている際は厳しくしかっていただき、充実した生活を続けることができています。素敵なお家で健康的でおいしい料理を提供していただき、ホストファミリーには本当に感謝しています。
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I enjoy helping with the gardening.ガーデニングのお手伝いも楽しんでいます
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An individual room with a study desk and bed is provided.勉強机やベッドが備え付けの個人部屋
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I make my bed every day.ベッドメイキングは習慣になっています
次に、「放課後の過ごし方」について話していきます。僕はもともとバレーボールが大好きで、白山麓キャンパスでもよく友達とバレーをしていたのですが、ニュージーランドではキャンパスから徒歩5分にある広い体育館で、ほとんど毎日放課後にバレーをしています。日本のアニメ、「ハイキュー‼」が好きでバレーを始めた海外の学生はとても多く、自分もそのアニメが大好きなため、話が合い、今はバレーボールを通してかなりの友達ができました。また、日本に住みたくて日本語を勉強中の友人も多く、英語を勉強中の自分が日本語を教えることもあり、お互いの文化交流に繋がりとても楽しいです。さらに、友達からバレーボールの大会やクラブ活動に誘ってもらうこともあり、バレーボールを通してたくさんの交流ができ、非常に充実しています。
最後に、「留学での一番の悲劇」についてのお話をしたいと思います。これは本当に自業自得で、どうしようもないことなのですが、留学する際に見落としがちで本当に後悔することなのでぜひお読みください。ニュージーランド留学では、適応される保険が限定されています。そんな中、僕は本当にあり得ない症状にかかってしまいます。それは、虫歯です。虫歯は留学中の保険適応外で、日本では考えられないほど治療費がかかります。自分はニュージーランドに来る前、歯医者の検診をせず、最後の日本食をたらふく楽しんでいました。一応、毎日歯磨きはしていたのですが、ニュージーランドに着くと今までの虫歯が一気に解放され、悲劇は5月に始まりました。歯に痛みを感じ、ホストファミリーの行きつけの歯医者さんで見てもらうことになりました。その際、一つの歯になんと275ドル(約25,000円)かかってしまったのです。僕はこのように余計にかかってしまったお金を二度と使わないためにも、虫歯にならないように、毎食5分以内には歯磨きをしていました。ところが、これは序章にすぎませんでした。留学前までの歯への負担が大きかったのか、ここからさらに虫歯になってしまい、最終的に3,000ドル(約270,000円)ほど歯の治療費がかかることになるのです。留学に来て本当に何をしているのか、馬鹿らしくなり気を病みました。このようなことがないように、読んでいただいた方には気を付けてほしいです。今回の経験から、自分も二度と同じようなことを繰り返さないように、気を付けていきます。
来年3月までの残りの期間、ホストファミリーや友人と共に沢山の経験を重ねて、素晴らしい思い出を作りたいと思います。
夏木 亮凪
こんにちは。白山麓事務室の間加田 侑里です。11月に入り、白山麓キャンパスでは朝夕の冷え込みが肌寒く感じるようになり、冬が近づいている気配を感じます。今回は9月に行われた「九谷焼上絵付け体験」と「フラワーアレンジメント・華道教室」について紹介します。
【九谷焼上絵付け体験】
2024年9月12日(木)、小髙 有普先生主催の「九谷焼上絵付け体験」が開催されました。講師として、石川県立九谷焼技術研究所の2名をお迎えしました。
まずは講師より、九谷焼の特徴や筆の持ち方、色の種類などについての説明がありました。
その後、学生たちは事前に準備した図案を元に、角皿に鉛筆で下書きしました。学生たちが準備した図案は、海の生き物をイメージした画や富士山、鯉、兼六園の徽軫灯籠といった和をテーマにした画など、季節を感じて風情のある図案でした。
今回の絵付けは、九谷焼の中でも五採手と呼ばれる様式となっており、鉛筆で下書き後、呉須(ごす)と呼ばれる黒色の絵具で輪郭線を描き、5色の和絵具(黄、青(緑)、紺、(茶)紫、赤)を使って色を塗りました。学生たちは輪郭線を描くことや和絵具を塗ることに緊張している様子でしたが、時間が経つにつれて、手際よく楽しんで作業を進めている様子でした。
絵付けが終了した後は、焼成作業が必要となるため学生たちのもとへは、1か月後に完成品が届きました。焼成後の作品は、色彩の変化や深みが増し、九谷焼ならではの美しい仕上がりとなりました。
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Learning painting techniques from the instructor絵付け方法について講師に学ぶ
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Sketching on the square plate with a pencil角皿に鉛筆で下書き
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Drawing the outline with a black pigment called Gosu呉須(ごす)という絵具で輪郭線を描く
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Learning how to paint from the instructor講師から絵付け方法を学ぶ様子
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Painting with Japanese pigments和絵具を塗る
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Painting with Japanese pigments和絵具を塗る
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Painting was completed絵付け完了!
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Painting was completed絵付け完了!
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Painting was completed絵付け完了!
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A one-of-a-kind piece has been completed!世界に一つだけの作品が完成しました!
【フラワーアレンジメント・華道教室】
2024年9月13日(金)、宇都宮 隆子先生と黒田 譜美先生主催の「フラワーアレンジメント・華道教室」が開催されました。本校の華道講座講師の南川 和美先生をお招きしました。
まず初めに、薔薇や菊、ナンバ(唐辛子を指す方言)、レザーファンを使ったフラワーアレンジメントを行いました。南川先生からハサミの使い方や水切りの方法を教わった後、学生たちは専用のスポンジに花をぎゅっと集めて形を整えたり、ナンバを様々な角度から挿したりしながら、それぞれ思い思いの作品に仕上げました。
次に、3人1組になり、剣山と水盤を使って、ひまわり、アワ、ヒペリカン、石化柳、アリストロメリアなどを用いて本格的な華道に挑戦しました。学生たちは南川先生のお手本を参考にしながら、まっすぐな葉に穴を空けて、くるっと曲げてカーブをつけたり、水面に花を散らしたりして、花や葉の個性を引き出しながら、華やかな世界観を表現した作品に仕上げました。
学生たちの作品は、白山麓キャンパスの玄関や共有スペースに展示され、校内は華やかな雰囲気となりました。
間加田 侑里