デザイン&ファブリケーション部顧問の林 道大です。本年度も夏季休暇中の課題として、3DCADモデリングに学生たちが取り組みました。今年のテーマは「お出かけに持って行くもの」で、1・2年生の学生たちから30点以上の作品が提出されました。提出された作品はさまざまなジャンルのものが網羅されており、全部を持ってお出かけすれば、楽しく、便利な遠足となりそうです。提出された全てを審査員たちで審査を行い、優秀賞4作品を選出しました。
優秀賞となった作品について、それぞれ解説していきます。
まず、2年生中澤 円香さんの作品「わたしのスマホ」です。幾何学的な形状としてはシンプルなスマホをモデリングしていますが、かなりデコっています。円弧や直線の組み合わせで、かわいらしいキャラクターをうまく再現しています。ストラップのビーズの表現も上手です。輝く太陽もCADでは難しいと思われる手書き風にモデリングされています。画面が割れているところまで表現しているのも、手が込んでいました。
2年生中澤さんコメント
制作時間:1日少しずつ作業して、1週間くらいかかりました。
こだわり:カメラレンズの周辺やキャラクターの表情など細かいところまでモデリングしました。やっぱり、割れたスクリーンが一番のポイントです。

次は、1年生笹木 大暉さんの作品「わたしの眼鏡」です。とてもリアルにモデリングされた眼鏡です。眼鏡屋さんのカタログに載っていそうです。全体の形状だけでなく、リム、ブリッジ、智、鼻パッド、丁番、テンプルまでしっかりと再現されています。複雑な曲面で構成されているパーツも、とても丁寧に形状が再現されています。この眼鏡をかけたら、少し賢くなるような気がするのは、制作者の思いが作品に反映されているのでしょうか。
1年生 笹木さんコメント
制作時間:6時間くらいだと思います。
こだわり:自分が使っている眼鏡を良く観察しました。特にレンズをはめるリムの立体感に注意してモデリングしました。

次は、1年生 坂井 麗央さんの作品「わたしのランタン」です。全体の形状をバランス良くモデリングしています。灯したり、消したりする機構や、燃料を入れる部分、ネジ締めする蓋の部分も、その機能が説明できるように丁寧に作成しています。薄暗いテントの中で炎がゆらゆらと揺らめく様子をCGで再現したら、とても美しい動画となるのではないでしょうか。CG(コンピュータグラフィックス)コンテストでも上位入賞できると思います。
1年生 坂井さんコメント
制作時間:3時間くらいの作業を2、3日続けました。
こだわり:テクスチャの設定や蓋部分のねじ形状にこだわりました。蓋部分は3Dプリントしたら実際の蓋として使えるはずです。
最後は、1年生 八尾 拓樹さんの「わたしのバッグ」です。こちらも曲面が多い難しい形状をバランス良くモデリングしてあります。ファスナーやベルト金具などの細かい部分まで、しっかりと作成してあります。ベルトを金具に通したり、バッグに固定したりする箇所のモデリングも複雑な操作が必要だったと思います。授業内で教えてもらっていない、機能や操作が必要な場面も多くあったでしょう。それらを自分で調べて、学び、成果が出た経験は、今後の他の課題でも役に立つことと思います。ベルトの曲げ方を3次元的に(奥行き方向に曲げる)すれば、もっとリアルに見えますので、ぜひ挑戦してみて欲しいと思います。
1年生 八尾さんコメント
制作時間:1日少しずつ作業して、3日か4日くらいかかりました。
コメント:カーブしたファスナーと、ベルト金具部分の形状にこだわりました。
受賞作のみ、解説をしましたが、受賞とはならなかった他の作品もとても素晴らしかったです。「お出かけに持って行くもの」がテーマということで、バッグや眼鏡、スマホ、ポータブルバッテリーなどが多かったのですが、留学生は2名とも「ナイフ」をモデリングしていました。人間本来のお出かけして生きていく力を感じましたし、大自然の中で役に立ちそうな良い形状でした。来年も継続してコンテストを開催していきますので、学生たちの3DCADスキルのさらなる向上に期待しています。
林 道大

こんにちは。
夫婦でダニーデンにてICT生のStudent Supportを担当している稲葉です。今回は、妻の私、和佳子より、ダニーデンおよび生活について簡単にご紹介いたします。
私たちは定期的に学生と面談を行い、ICT生のオタゴポリテクニク留学がより充実したものとなるようサポートしています。
夫は日本のエネルギー系企業で15年間勤務した後、University of OtagoのMBA課程に留学し、今年度修了しました。家族でダニーデンの暮らしを気に入り、修了後も現地企業に就職して生活を続けています。
ダニーデンはコンパクトで、都会の喧騒もなく、かといって田舎過ぎない“ちょうどいい”街です。若い学生からは「遊ぶ場所が少ない」という声もよく聞きますが、自然に恵まれており、少し足をのばせばビーチやトレッキングコースもあるため、リフレッシュには最適です。勉強に集中できる落ち着いた環境だと思います。
4月以降、定期的にICT生とお会いしていますが、最初は新しい環境や異文化へのとまどいを感じている様子が見られました。それでも次第に適応し、自信を持って生活を楽しむ姿へと変化しており、たくましさを感じます。
次に、実際に私たちがどんな生活を送っているのか、プライベート面について紹介したいと思います。
私たちは夫、妻、子ども(長女7歳、長男5歳、次男3歳)の5人家族です。
休日には家族みんなで、公園、潮干狩り、釣り、無料のミュージアムなど様々な種類のアクティビティを楽しんでいます。ダニーデンに来る前は都内に住んでいたため、自然のスケールの大きさに圧倒されることが多いです。自宅から車で5分も走れば、遠くまで広がる牧草地で、のんびり草をはむたくさんの羊や馬、牛を見ることができます。
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At the famous lavender field少し足を伸ばして有名なラベンダー畑へ。遠くには雄大な山並みも見えます。
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At the beach, 10 minutes from our house. There is a sealion behind them. 家から車で10分のビーチにて。シーライオン(アシカ)によく遭遇します。
また、自宅も山を登っていく途中にあり、庭からは山の景色が見渡せます。朝は鳥のさえずりが聞こえ、昼間は日差しが降り注ぎ、お天気雨の時には虹もよく現れ、自然を常に身近に感じる環境です。
ダニーデンは春を迎え、そろそろ夏に向かう季節です。夏にはビーチで海水浴をしたり、気軽にトレッキングを楽しんだり、庭でプールなどの水遊びをしたりと、楽しみたいことがたくさんあります。ダニーデンでの生活も1年半を超え、衣食住さまざまなことに慣れ、楽しむ余裕が出てきたように感じています。

A part of the harvest昨年の収穫物の一部。採れたて野菜はやっぱりおいしいです。
最近では手作りの納豆や味噌づくりにもチャレンジしています。納豆は試行錯誤を重ね、以前より安定しておいしく作れるようになりました。味噌は仕込んだのが約半年前なので、そろそろ取り出して味を確かめる頃合いです。他にも庭で野菜を育てるなど、日本にいたら挑戦しなかったであろう様々な事柄に家族で取り組み、新たな知識と経験を得ることを楽しんでいます。
ちなみにダニーデンに来た当初は英語力ゼロだった子ども達は、この1年半で日常のコミュニケーションをほぼ問題なく英語でできるようになりました(子どもって本当にすごい!)。私(アラフォー妻)はとっくに英語力は抜かされていますが、なんとかついていきたくて、レッスンに通ったりと頑張って学んでいるところです。これからも家族みんなで、前向きにダニーデン生活を楽しみたいと思います。
この記事をご覧の皆様、ダニーデンへお越しの際はぜひお声がけくださいね。
稲葉 和佳子
こんにちは。白山麓事務室の間加田 侑里です。秋の涼しさを感じる季節となりました。今回は9月に行われた様々な課外活動について紹介します。
「国語じゃなくて日本語」
2025年9月17日(水)、筒井先生主催「国語じゃなくて日本語」と題した特別講義が開催されました。筒井先生は、英語を母国語或いは第一言語としている学生たちに、第二言語(外国語)として、日本語プログラムを開講しています。
今回行われた「国語じゃなくて日本語」は、日本語母語話者向けの講義で、私たちが普段何気なく使っている日本語にも、言葉の使い分けや文法項目に難しさがあることを確認しました。講義ではそれらの点を取り上げ、語の働きがどのような意味を生み出すのかについて考察しました。
筒井先生より、「国語や文法が苦手だという学生もいましたが、みんな積極的に参加してくれました。全員が自ら考え、グループディスカッションを通じて気づきを得たり、理解を深めたりしている様子が見られました。私自身も、学生の取り組みや発言から新たな気づきを得ることができました。今回は時間が足りず、メインとして予定していた「は」と「が」の違いについては扱えなかったため、後学期に第二弾として実施することにしました。次回も、ぜひ多くの学生に参加してもらえたら嬉しいです。」とのコメントがありました。
「フラワーアレンジメント・華道教室」
2025年9月19日(金)、宇都宮 隆子先生と黒田 譜美先生主催の「フラワーアレンジメント・華道教室」が開催されました。本校の華道講座講師の南川 和美先生をお招きしました。
まず初めに、クルクマや薔薇、スターチス使ったフラワーアレンジメントを行いました。南川先生からハサミの使い方や水切りの方法を教わった後、学生たちは専用のスポンジに花の特徴や色合いを活かしながら、思い思いの作品を仕上げました。
次に、3グループに分かれ、剣山と水盤を使って、まめ、ゆり、ひまわり、スペラス、ヒオウギ、ピンクッションなどを用いて本格的な華道に挑戦しました。学生たちは南川先生のお手本を参考にしながら、花材の高さや角度を調整しながら、全体のバランスを意識して作品を仕上げていきました。それぞれのグループが異なるテーマを持ち、個性豊かな作品が並びました。
学生たちは「いろんなお花を知ることが出来たし、綺麗に仕上がって嬉しかった」などといった声が上がりました。学生たちの作品は、白山麓キャンパスの玄関や共有スペースに展示され、校内は華やかな雰囲気となりました。

「Career Support for KOSEN Students」
2025年9月19日(金)、1・2年生を対象にOLIENT TECH株式会社 太安 竜也氏をお招きし、「Career Support for KOSEN Students」が実施されました。
高等専門学校(高専)を卒業した後の進路には、大きく分けて「就職」と「進学」の2つがあります。もともとは就職する学生がほとんどでしたが、近年では進学を希望する学生の割合が増加しています。太安氏より、就職と進学に関するアドバイスや、それぞれのメリット・デメリット、就職活動や勉強の進め方について説明があり、「自分の将来を見据え、早い段階から情報を集め、準備を進めることが、納得のいく就職・進路選択につながります」と学生たちに呼びかけました。
「The Secret of the Crest Vault: STEM Themed Escape Room」
2025年9月22日(月)、アブワン・ドミソン先生とアブワン・シャルミー先生による「The Secret of the Crest Vault: STEM Themed Escape Room」が開催されました。学生たちは、STEMのパズルやなぞなぞを協力して解き、閉じ込められた部屋から脱出するゲームに挑戦しました。それぞれの課題をクリアするごとに、4桁の暗証番号のうち1つの数字が明らかになり、その数字は「科学」「技術」「工学」「数学」の分野にちなんだものでした。
学生たちは、知識・チームワーク・素早い判断力を活かして、4つの数字を集めて暗証番号を完成させ、見事にドアを開けて脱出に成功しました。優勝チームは、なんと3分48秒で問題を解いたそうです!
「Shall We Dance?」
2025年9月26日(金)、ジャスティン・ハン先生とステファニー・レノルズ先生による「Shall We Dance?」が開催されました。この日、2名のダンス講師と2名のダンス生徒をお招きし、学生たちは4種類の社交ダンス(ワルツ・ブルース・チャチャチャ・ジターバグ)の基本ステップを学びました。通常、これらのダンスでは男性がリーダー、女性がフォロワーの役割を担い、それぞれ異なる補完的な動きをしますが、今回のセッションでは、両方の役割に共通する基本ステップが紹介されました。学生たちは、基本的な動きとカウントを学んだ後、音楽に合わせてペアで練習し、ダンスの楽しさを体験しました。
最初は多くの学生がリズムやステップの動きに苦戦していましたが、練習を重ねることで大きく上達しました。学生たちは社交ダンスを楽しんでいる様子で、中には今後もこの活動を続けられないかと尋ねる声もありました!
「五十嵐威暢アーカイブ」
2025年9月26日(金)、1・2年生5名が金沢工業大学に設立されている「五十嵐威暢アーカイブ」(https://igarashiarchive.jp/?lang=ja)を訪問しました。このアーカイブは、彫刻家・デザイナーの五十嵐威暢氏から寄贈された約5,000点の作品や資料を収蔵し、感性教育を目的として2023年に設立された施設です。
学生たちはギャラリーを見学し、展示作品や作者について説明を受けました。また、ワークショップでは、日常的に使用している小さなアイテムを4つ持参し、方眼紙上に並べて共通点を探しました。色や形、時系列などの観点で整理し、その後、グループごとに思考の違いをまとめる活動を行いました。
この体験を通じて、学生たちは「見る」という行為を通じた観察力や発想力を養いました。
「ソフトバレーボール・バレーボール大会」
2025年9月29日(月)、この日は白山登山・三方岩岳ハイキングが予定されていましたが、あいにくの雨で中止となり、その代わりにフィリップ・ケザウ先生主催の1・2年生と教員が一緒に楽しむ「ソフトバレーボール・バレーボール大会」が開催されました。
まずはソフトバレーボールからスタートしました。7分間の試合が次々と行われ、各チームは声を掛け合いながら、全力でプレーをしていました。続いて行われたのはバレーボールの試合です。スパイクやレシーブが決まるたびに歓声が上がり、熱い応援が飛び交いました。教員と学生が一緒になってチームを組み、互いに声を掛け合いながらプレーする姿は、まさに一体感そのものでした。さらに、参加者全員が2つのチームに分かれて、全員がコートに入ってプレーするオリジナルゲームも実施されました。このゲームでは、最大4回までボールに触れて相手コートに返すという特別ルールが実施され、人数の多さを活かして、みんなで協力しながらボールをつなぎました。最後には、1年生 vs 2年生の白熱した試合が行われました!試合開始とともに、2年生は息の合ったチームワークと力強いプレーで1年生を圧倒!1年生も負けじと果敢に挑みましたが、2年生の連携と集中力に押され、惜しくも敗れてしまいました。
この試合を通して、学年を越えた絆や、全力で挑戦する楽しさを改めて感じることができた、心に残る素晴らしい時間となりました!
「ブックレビュー発表会」
2025年10月1日(水)、1年生による「ブックレビュー発表会」が開催されました。学生たちは夏休み中に読んだ本(ジャンルは自由)について、学んだことや感想を3分間発表しました。日本人の学生は英語の本を読み英語で発表し、留学生は日本語の本を読み日本語で発表しました。学生たちはファンタジーや冒険、伝記、推理小説など、多彩なジャンルの本を紹介しました。中には、本のストーリーをアニメーション化する学生、物語の一場面を鉛筆でスケッチした作品を披露する学生もいました。
発表後、学生と教員による投票が行われ、「ベストプレゼンテーション」が選ばれました。英語での発表から2名、日本語での発表から1名が受賞者として選ばれました。結果は以下の通りです。
ベストプレゼンテーション(英語):笹木 大暉さん
ベストプレゼンテーション(英語):田村 駿多さん
ベストプレゼンテーション(日本語):プルバ・アントニー・レバッタさん
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Title:おでん (Oden)Title:おでん
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Anthony received many questions from his classmates about the book he had read.クラスメイトから、アントニーさんが読んだ本についてたくさん質問されました。
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A big round of applause was given to Anthony, who was able to give his entire presentation in Japanese!日本語を流暢に話すことができたアントニーさんに盛大な拍手が送られました!
間加田 侑里
高専ロボコン指導教員の林道大です。2025年10月5日(日)、毎年学生たちが参加している「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(高専ロボコン)」の東海北陸地区大会に、今年も金沢キャンパスからAチーム4名、白山麓キャンパスからBチーム8名の総勢12名の学生と一緒に参加してきました。高専ロボコンは毎年テーマが異なるので、毎回新しいロボットを設計・製作し、4月中旬のテーマ発表から10月の初旬の地区大会の開催までにロボットを完成させなければなりません。今年のテーマは「Great High Gate」で、ロボットが段ボール製のボックスを積み上げてゲートを作り、そこを選手が乗った台車をロボットがひいて通過するというものです。ゲートの高さが高いほど高得点が得られます。
それでは、各チームのメンバーとロボットについて紹介したいと思います。Aチームは金沢キャンパスで学ぶ4年生が4名です。チーム名は「香箱倶楽部」といいます。金沢名産のコウバコガニを模したロボットで、選手があらかじめボックスを高く積んで完成させたゲートを目的の場所まで運びます。リーダーは太田晴喜さん、操縦者は白石春翔さん、台車に乗るのは大石意丸さん、ピットが佐野獅悠さんです。大会を終えた感想を聞きました。
■太田 晴喜さん
夏休み中に自動車運転免許を取得するために実家に帰っていました。その間、ロボット製作をほとんど手伝えなくて申し訳ありません。免許は取得できたので、後学期になってからはロボットに関わることができる時間も多くなり、チームの勝利に少しは貢献できたと思います。
■白石 春翔さん
試合では緊張してロボットの操縦が少しぎこちなくなった場面もあったけれど、1試合目では目標の点数を取って勝利することができて良かったです。全国大会にも推薦され、まだまだロボコンは終わっていないので、継続して一生懸命に取り組んでいきたいです。
■大石 意丸さん
大会ではコウバコガニを取り扱う鮮魚店の店員のコスプレをして台車に乗りました。ロボットの設計や組み立ては得意ではないのですが、軽い体重とスレンダーな体型は、ロボットが引っ張りやすかったり、ゲートを通過しやすかったりして、チームの役に立てたと思います。エキシビションで観客に手を振ったのは私です。
■佐野 獅悠さん
ロボットの部品製作や組み立てを担当しました。大会ではロボットの破損や動作不良など無く、順調に動作したので良かったです。地区大会の試合終了後にそれまでの疲れが出て、ピットで居眠りしてしまったのをNHKのTVカメラに撮られました。TV放送するときに使われるのですかね。
大会では予選リーグ1勝1敗で敗退しましたが、ロボットのゲート搬送機能が評価されて「技術賞」を受賞し、審査員推薦により全国大会への出場権を得ることができました。全国大会でも頑張って欲しいと思います。
Bチームは白山麓キャンパスの1、2年生です。チーム名は「はこ坊」です。港湾施設で荷役作業にあたるコンテナクレーンの機構を模したロボットです。外観も黒黄のトラマークや、赤色回転灯などで装飾されていて、働くクルマらしさが表現されています。ボックスの持ち上げ、積み上げもコンテナクレーンのように開閉するハンドと伸縮するアームで行います。地区大会は規定の8名での参加でしたが、キャンパスでのロボット製作や練習時には総勢11名の学生で活動しています。選手に選抜されなくても、裏方で支える「縁の下の力持ち」はどんなチームにも必要だと思います。チームリーダーでロボット操縦者の石原田 海秀さんと、縁の下の力持ち代表の寺嶋 明さんに、大会を終えた感想を聞きました。
■石原田 海秀さん
今年は、これまでの活動での反省をいかして、チームの雰囲気を良い状態に保ちながら活動することがきました。その結果、例年よりも早くロボットが完成して、練習をたくさんすることができました。そのため、今年の試合では去年ほど緊張することなくフィールドに立つことができました。それが良い結果(ベスト4)につながったと思います。来年以降も仲間と共に頑張って行きたいです。
■寺嶋 明さん
今年は、応援団での地区大会参加になってしまい、少し悔しい部分もありましたが、応援しながら他校のロボットもたくさん観察することができて、良い経験になりました。来年以降に向けて、その経験を活かしながら、たくさんのことを学んでいきたいと思います。
大会では2勝無敗で予選リーグを通過して、決勝トーナメントへ進みました。決勝トーナメントでも勝利を続けることができたのですが、準決勝で優勝したチームに惜敗して、結果はベスト4となりました。ロボットの動作そのものは全く問題無く、全ての試合で安定していました。ロボットの操縦はとても緊張すると思いますが、担当した石原田さんも試合の緊張感のなかでミスなく操縦できていたのは、事前の練習の成果だと思います。
今年は、両チームとも比較的早い時期にロボットを動作させることができ、試合形式での練習を何度も行うことができました。練習の中で明らかになった問題点を、ロボットの改良や戦略の変更などで解決していくことができたと思います。その手法は、エンジニアリングデザインにおける製品開発手法とも共通する部分が多くありますので、授業での取り組みにも役立てられるのではないかと考えています。

A 2nd year student adjusting the robot, watched by a 1st year student (Team B)キャンパスでロボットの調整をする2年生と見守る1年生(Bチーム)

A 2nd year student in last year’s uniform adjusting the robot (Team B)去年のユニフォームを着てロボットを調整する2年生(Bチーム)

A 1st year student cleaning dirt off the tires タイヤについた汚れを取り除く1年生

Team A practicing at the main entrance hall 正面玄関ホームで練習するAチーム

Team A being interviewed after their victory勝利チームインタビューを受けるAチーム

Team A looking a bit tired after the matchちょっとお疲れの様子のAチーム

Team B celebrating their effortsがんばったBチーム

The principal surrounded by staff and participants after the competition大会終了後に関係者に囲まれる校長先生
【高専ロボコンとは】
「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(高専ロボコン)」は、1988年から始まった、若い人たちに既成概念にとらわれず「自らの頭で考え、自らの手でロボットを作る」ことの面白さを体験してもらい、発想する事の大切さ、物作りの素晴らしさを共有してもらう全国規模の教育イベントです。全国の高専学生が、毎年異なる競技課題に対し、アイデアを駆使してロボットを製作し、競技を通じてその成果を競うもので、発想力と独創力を合言葉に毎年開催され、2025年で38回目を迎えました。
【NHKロボコン 東海北陸地区大会】
NHK総合テレビジョン11月8日(土)午前10:40~
※NHK ONEでもご覧いだだけます。
https://www.web.nhk/tv/an/robocon/pl/series-tep-J8Y25YN2QG/ep/8ZV3KYQ55G
みなさん、こんにちは。物理科目を担当している伊藤 周です。今回は、毎年恒例の「STEMフェア2025」についてお話しします。
STEMフェアは、国際高専の夏休み課題「Summer STEM Project」の成果を発表する場で、毎年9月下旬に開催されています。簡単に言えば、夏の自由研究の発表会です。テーマは学生が自由に決めますが、今年は特に1年生のアイデアがとてもユニークで、これまでにないテーマがたくさんありました。国際高専が始まって8年、STEMフェアも今回で8回目(2年生の分も合わせると15回目)になりますが、毎年新しい発想に出会えるのは本当に面白いですね。
さらに、今年は実験や製作にすごく時間と労力をかけている学生が多かったのも印象的でした。たとえば、魚のプラスチック汚染を調べるために何十匹も釣って内臓を確認したり、身長への影響を調べるために約3,000回ジャンプしたり、アニメーションを作るために何十枚ものカットを描いたり、海洋ゴミを調べるために地元の半島を一周したり、炎天下を7km歩いたり…。
発表自体はポスター1枚と10分ほどの説明だけですが、その裏にある努力や時間を想像すると、本当に感動します。
個人的には、こういう「とにかくやってみた!」というプロジェクトが大好きです。たとえ科学的に完璧じゃなくても、その熱意を評価したくなります。ただ、発表としてはやっぱり図や表を使って、そこから考察をまとめることも大切なので、その点は学生たちに伝えました。
STEMフェアは、学生の頑張りと先生方の協力で、今や白山麓キャンパスの名物イベントになりました。まだ1・2年生なので高度な研究とは言えませんが、学生たちの自由な発想や興味を形にしたプロジェクトを見るのは本当に楽しいです。これからも、このイベントを続けていきたいです。
伊藤 周



























































































