2025NHKロボコン東海北陸地区大会

 高専ロボコン指導教員の林道大です。毎年学生たちが参加している「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(高専ロボコン)」の東海北陸地区大会に、今年も金沢キャンパスからAチーム4名、白山麓キャンパスからBチーム8名の総勢12名の学生と一緒に参加してきました。高専ロボコンは毎年テーマが異なるので、毎回新しいロボットを設計・製作し、4月中旬のテーマ発表から10月の初旬の地区大会の開催までにロボットを完成させなければなりません。今年のテーマは「Great High Gate」で、ロボットが段ボール製のボックスを積み上げてゲートを作り、そこを選手が乗った台車をロボットがひいて通過するというものです。ゲートの高さが高いほど高得点が得られます。

 

 それでは、各チームのメンバーとロボットについて紹介したいと思います。Aチームは金沢キャンパスで学ぶ4年生が4名です。チーム名は「香箱倶楽部」といいます。金沢名産のコウバコガニを模したロボットで、選手があらかじめボックスを高く積んで完成させたゲートを目的の場所まで運びます。リーダーは太田晴喜さん、操縦者は白石春翔さん、台車に乗るのは大石意丸さん、ピットが佐野獅悠さんです。大会を終えた感想を聞きました。

■太田 晴喜さん
 夏休み中に自動車運転免許を取得するために実家に帰っていました。その間、ロボット製作をほとんど手伝えなくて申し訳ありません。免許は取得できたので、後学期になってからはロボットに関わることができる時間も多くなり、チームの勝利に少しは貢献できたと思います。

 

 

■白石 春翔さん
 試合では緊張してロボットの操縦が少しぎこちなくなった場面もあったけれど、1試合目では目標の点数を取って勝利することができて良かったです。全国大会にも推薦され、まだまだロボコンは終わっていないので、継続して一生懸命に取り組んでいきたいです。

 

 

■大石 意丸さん
 大会ではコウバコガニを取り扱う鮮魚店の店員のコスプレをして台車に乗りました。ロボットの設計や組み立ては得意ではないのですが、軽い体重とスレンダーな体型は、ロボットが引っ張りやすかったり、ゲートを通過しやすかったりして、チームの役に立てたと思います。エキシビションで観客に手を振ったのは私です。

 

 

■佐野 獅悠さん
 ロボットの部品製作や組み立てを担当しました。大会ではロボットの破損や動作不良など無く、順調に動作したので良かったです。地区大会の試合終了後にそれまでの疲れが出て、ピットで居眠りしてしまったのをNHKのTVカメラに撮られました。TV放送するときに使われるのですかね。

 

 

 

 大会では予選リーグ1勝1敗で敗退しましたが、ロボットのゲート搬送機能が評価されて「技術賞」を受賞し、審査員推薦により全国大会への出場権を得ることができました。全国大会でも頑張って欲しいと思います。

 

 Bチームは白山麓キャンパスの1、2年生です。チーム名は「はこ坊」です。港湾施設で荷役作業にあたるコンテナクレーンの機構を模したロボットです。外観も黒黄のトラマークや、赤色回転灯などで装飾されていて、働くクルマらしさが表現されています。ボックスの持ち上げ、積み上げもコンテナクレーンのように開閉するハンドと伸縮するアームで行います。地区大会は規定の8名での参加でしたが、キャンパスでのロボット製作や練習時には総勢11名の学生で活動しています。選手に選抜されなくても、裏方で支える「縁の下の力持ち」はどんなチームにも必要だと思います。チームリーダーでロボット操縦者の石原田 海秀さんと、縁の下の力持ち代表の寺嶋 明さんに、大会を終えた感想を聞きました。

■石原田 海秀さん
 今年は、これまでの活動での反省をいかして、チームの雰囲気を良い状態に保ちながら活動することがきました。その結果、例年よりも早くロボットが完成して、練習をたくさんすることができました。そのため、今年の試合では去年ほど緊張することなくフィールドに立つことができました。それが良い結果(ベスト4)につながったと思います。来年以降も仲間と共に頑張って行きたいです。

 

 

■寺嶋 明さん
 今年は、応援団での地区大会参加になってしまい、少し悔しい部分もありましたが、応援しながら他校のロボットもたくさん観察することができて、良い経験になりました。来年以降に向けて、その経験を活かしながら、たくさんのことを学んでいきたいと思います。

 

 

 

 

 大会では2勝無敗で予選リーグを通過して、決勝トーナメントへ進みました。決勝トーナメントでも勝利を続けることができたのですが、準決勝で優勝したチームに惜敗して、結果はベスト4となりました。ロボットの動作そのものは全く問題無く、全ての試合で安定していました。ロボットの操縦はとても緊張すると思いますが、担当した石原田さんも試合の緊張感のなかでミスなく操縦できていたのは、事前の練習の成果だと思います。
 今年は、両チームとも比較的早い時期にロボットを動作させることができ、試合形式での練習を何度も行うことができました。練習の中で明らかになった問題点を、ロボットの改良や戦略の変更などで解決していくことができたと思います。その手法は、エンジニアリングデザインにおける製品開発手法とも共通する部分が多くありますので、授業での取り組みにも役立てられるのではないかと考えています。

キャンパスでロボットの調整をする2年生と見守る1年生(Bチーム)

キャンパスでロボットの調整をする2年生と見守る1年生(Bチーム)

去年のユニフォームを着てロボットを調整する2年生(Bチーム)

去年のユニフォームを着てロボットを調整する2年生(Bチーム)

タイヤについた汚れを取り除く1年生

タイヤについた汚れを取り除く1年生

正面玄関ホームで練習するAチーム

正面玄関ホームで練習するAチーム

勝利チームインタビューを受けるAチーム

勝利チームインタビューを受けるAチーム

ちょっとお疲れの様子のAチーム

ちょっとお疲れの様子のAチーム

がんばったBチーム

がんばったBチーム

大会終了後に関係者に囲まれる校長先生  

大会終了後に関係者に囲まれる校長先生

 

【高専ロボコンとは】
「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(高専ロボコン)」は、1988年から始まった、若い人たちに既成概念にとらわれず「自らの頭で考え、自らの手でロボットを作る」ことの面白さを体験してもらい、発想する事の大切さ、物作りの素晴らしさを共有してもらう全国規模の教育イベントです。全国の高専学生が、毎年異なる競技課題に対し、アイデアを駆使してロボットを製作し、競技を通じてその成果を競うもので、発想力と独創力を合言葉に毎年開催され、2025年で38回目を迎えました。

【NHKロボコン 東海北陸地区大会】
NHK総合テレビジョン11月8日(土)午前10:40~
※NHK ONEでもご覧いだだけます。
https://www.web.nhk/tv/an/robocon/pl/series-tep-J8Y25YN2QG/ep/8ZV3KYQ55G

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