米作り体験


 こんにちは!ICT 白山麓キャンパス、ラーニングメンターのシャーデー・モーアです。
 日本で暮らし始めて6年になります。昨年ICT での勤務が決まり白山市へやってきましたが、その前は5年間石川県の津幡町に住んでいました。日本へ来てから私が毎年参加している大切な行事があります。2018年の春から、私はボランティアとして、津幡町と金沢市の境にある「NPO法人 河北潟湖沼研究所」の田んぼで田植えと稲刈りを手伝ってきました。

 春先にまず土台となる苗床を作ることから、私はその苗床を愛情を込めて「Rice baby(お米の赤ちゃん)」と呼ぶことにしました。夏の草取り、そして最後に鎌を使って手で稲を刈り取るまで、毎年「お米の赤ちゃん」の世話を楽しんできました。

 お米の栽培の全体的なプロセスは単純に思えるかもしれませんが、実際には思ったより手間と労力がかかります。前年の収穫から残ったお米は翌年春先に種もみとして田んぼの苗床作りに使われます。苗床に種もみをまいた後、芽が出るまで最適な生育環境を整えるためにビニールハウスで育苗します。

苗床で芽が十分に成長したら、5月下旬頃に3枚の田んぼに手作業で苗を移植する田植えを行います。田んぼには小、中、大のサイズがあります。苗が正しい場所に植えられるように、伝統的な木製の「田転がし」を使用して泥の中に格子模様を作ります。

 すべての苗が田んぼに植えられた後は、夏の間手作業による除草が数回行われます。そして9月下旬に刈り取った稲は束ねて棚に吊るし、数週間天日でハサ干しします。

 このNPO団体が米作りの中で重要としていることの一つは、これらの栽培されたお米が環境に優しいということです。農薬を一切使わずに栽培されているので、より健康的に食べられるお米になっています。また、地域貢献活動にも力を入れており、年間を通じて田んぼや河北潟周辺でさまざまなイベントを開催しています。田んぼでのイベントでは、小学生と一緒に田んぼの生態系や環境について学び、田んぼに生息するさまざまな動物や昆虫、生物を探します。目標は、河北潟とその周囲の生態系と動物相についてみんなに理解を深めてもらい、保全活動を通じてそれを保護することです。また、水田だけでなく、河北潟周辺において保全、生態、農業、環境保護などに関わるさまざまな研究プロジェクトも行われています。

 私はこれらの体験から水田の生態についても多くのことを学びました。私は大学時代、地元アメリカ、バージニア州で小さな池や水路に生息する動物の生態について研究していたので、興味を持って学ぶことができました。さらに、このボランティア活動を通じて、金沢大学や星稜大学など地元の他大学の教授や先生方、その学生たちとも知り合うことができました。彼らもボランティアに参加されていたので、大学の垣根を超えて素晴らしい交流を持つことができました。ICT の一員として、私はこうした交流の中でICTの良さを伝えていきたいですし、ICTの学生たちにもこのような交流の参加に興味を持ってもらえたら嬉しく思います。

 「NPO法人 河北潟湖沼研究所」の水田での植え付け、稲の成長、収穫はまさに地域社会の取り組みであり、私が日本に来てからの最も楽しい経験の一つです。ICTの学生たちとも米作りの手伝いや、私が大切にしてきた水田の生態について学ぶことができたらいいなと思っています。なにより、この田んぼで育ったお米は私が今まで食べたお米の中で一番美味しいです!また、日本ではあまり売られていない玄米を販売している石川県内の数少ないお店の一つです!私が込めた「お米の赤ちゃん」への愛情を、ぜひ食べていただければ幸いです。この素晴らしい経験を生かして今後も、お米の栽培や水田の生態系について学び続けたいと思っています。共に米作りをした河北湖研究所の方々と、長年にわたって参加してくださった参加者、教授たち、他大学の学生たち、地域住民の皆さんとは、共に「お米の赤ちゃん」を育てるファミリーの様な関係を築くことができました。素晴らしい方々との貴重な出会いと、同じ分野で活動できたことに感謝しています。ここは私にとって大好きな場所の一つとなり、ホームと呼べる場所になりました。

シャーデー・モーア

 こんにちは、3年生の太田 晴喜です。今現在ニュージーランドに留学中で、最高に楽しい生活を送っています。4月から8ヶ月が経ち、すでに12月になってしまいました。本当に時間が経つのが早いです。国際高専に入学、そしてニュージーランドに留学させてくれた両親に感謝の思いしかありません。ありがとうございます。

 

 ところで僕はニュージーランドでロードバイクに乗っています。日本からバイクを持ってきたのではなく、ニュージーランドで中古のバイクを6万円ほどで購入しました。通学兼トレーニング用です。しかし僕はある思い込みをしていました。「ダニーデンは街だから日本より山が少なくて平坦でロードバイクがいい」。これが大きな間違いでした。ロードバイクを買った後、ウキウキして学校の周辺を探索していると、急な坂「激坂」しかありません。住んでいる場所にもよりますが、僕のホームステイ先は学校まで激坂が連発しているエリアで、平均斜度14%という歩きでもキツイ坂がたくさんあります。マウンテンバイクや電動自転車などで行けば坂は上れるかもしれませんが、ロードバイクはギアの比率が小さいためパワーを要します。地元の人は自転車を押して歩いているほどです。つまり「キツイ(登れない)」ということです。完全に後悔しました、通学時はパソコンなどを入れたカバンを持って走るので、激坂に加えて重いウェイトです。はっきり言って地獄です(笑)でもそれは僕にとっては良いことで、大会に向けて強くなるためには必要だと思っていたので、あきらめずにほぼ毎日バイクから降りずに走っていました。そして8ヶ月たった今、激坂を簡単に登れています(思い込み)。少しは強くなったと思い喜んでいましたが、また問題が発生してしまいました。実は太ももが大きくなりすぎて、日本から持ってきたズボンの9割が履けなくなりました。

 4月からニュージーランドでロードバイクに乗っていて、いいことやキツイことがたくさんありました。ここで学んだことは「限界はない!気合いで突破する!」です。昔からチャレンジ精神旺盛でいろいろなことをやってきて、もちろんバカなことも危ないこともしてきました。しかし今まではチャレンジするだけだったり、少しでも難しいと思ったらあきらめている自分がいました。このロードバイクを通して、自分を追い込んだり、自分が制限していたところより先に行けることができました。これは何にでも共通していることで、自分がやったことのないデータ解析やAI研究のプログラミングを最初は苦手だと思い込んでいましたが、気合いでやり遂げ、今では少しずつ得意になってきました。

 ロードバイクは一見、ただ高い自転車のように思えるかもしれませんが、ロードバイクに乗ることで得られることはたくさんあると思います。ロードバイクに限らず、無関心であったり、偏見で何も挑戦しないよりかは、少し頑張って何かにトライするのは良いことかもしれませんね。

 この留学で、僕はいろいろな経験を重ねています。短期間ではなく、1年間という長期間で留学することはめったにできないことで、全ての人が経験できることではありません。そもそもこの国際高専に入学できたこと、異国の地で貴重な経験をさせてくれている両親に本当に感謝しています。当たり前のことではないことを実感して、感謝しながら残りのニュージーランド生活を送りたいと思います。

太田晴喜

第59回高専祭

皆様、こんにちは。今年度の高専祭の実行委員長を務めさせていただきました、4年生の泉屋 匠吾と申します。この度、無事に10月19日(土)に高専祭を開催できましたこと、非常に安堵していると同時に、心より嬉しく思っております。そして何よりも、学生や教職員の皆様には大変感謝しております。この高専祭を形作ったのは、学生たちの発想力と実行力、そして教職員の皆様のお力添えのおかげです。この場を借りて改めて感謝を申し上げます。

さて、ここでは今年はどのような企画が行われたのかをこちらのジャーナルを通して紹介したいと思います。是非、学生たちの努力の結晶と和気藹々な様子をご覧ください。

日中は学科展示や生け花展覧会、1年生による美術作品の展示等がメーカースタジオⅣにて行われました。毎年、2年生はサツマイモの生産から販売までを実践する授業を行います。私はこれの進捗状況を確認するために、成果が展示されているコーナーに足を運びました。他にも注目すべき企画として、1年生の美術作品の展示会がありました。これには目を見張る作品が数多くあり、彼女らの熱量に圧倒される展示会でした。ここでは、私が普段いる金沢キャンパスでは知り得ない、後輩たちの様子を伺うことができ、とても感慨深かったです。

ラーニングコモンズでは、午前に2つ、午後に1つの大会が行われました。最初は「カードゲーム大会」です。白山麓キャンパスの後輩たちが主催し、彼らが普段楽しんでいるカードゲームをラーニングコモンズのデスクに持ち寄り、みんなで楽みました。彼らが持っていたカードの種類と数がとても多く、その熱意の凄まじさを感じました。

次は、「キルパラーニ アニッシュを格ゲーで倒せ!」です。名前を聞いて驚くかもしれませんが、5年生に格闘ゲームの達人、アニッシュ先輩がいます。彼をとあるゲームで打倒し、商品をゲットしよう!という企画です。この類のゲームはデスクトップのパソコンやコンシューマーゲーム機でしか楽しめないため、準備が少し大変でした。あまり親しみのないゲームでしたが、初めて体験してその楽しさを知りつつ、先輩と交流することができる素敵な企画になりました。実は当日、見に来てくれた私の父も挑戦しており、ハンデを重ねて勝っていました。

午後には「大乱闘ゲーム大会」が行われました。ゲームのタイトルは公表できないことになっておりますので、ご想像にお任せいたします。こちらの企画はトーナメント形式で、合計18人のプレイヤーが参加し、賞品を巡って白熱した戦いが繰り広げられました。後輩たちが本当に上手く、私は準々決勝で負けてしまいました。一戦一戦が手に汗握り心躍る試合で、非常に楽しかったです。

そしてこれらの企画が終わった後、目玉のビンゴ大会が別の会場で開催されました。やはりこれがなんとも面白く、早くリーチしたけどビンゴに届かない、そんなもどかしさが会場を賑わせました。豪華な賞品を早くビンゴした順で奪い合う毎年恒例の企画です。だんだんリーチになる人が増えてくると、ビンゴ球が出るたびに皆がそわそわしてくるのが、私の楽しみになっていました。性格が悪いですね。

ビンゴ大会が終わり、10月の上旬に開催された高専ロボコンの報告会が最後に行われ、今年の高専祭は終わりを迎えました。国際高専が本格的にロボコンに参加するようになり、彼らの奮闘ぶりには圧倒され、発想力、そして何度も試行し改善していく胆力の強さは、同じ学生として誇りに思います。来年度も頑張ってください!

さて、私の感想と共に今年の高専祭をまとめてみました。いかがだったでしょうか?まだまだ国際高専は始まったばかりです。多くの学生がこの学校に入学してくれるようになり、魅力的な後輩たちがどんどん増えてきています。私たちも、より良いイベント作りを今後も続けていきたいと考えておりますので、また来年の高専祭もぜひよろしくお願いします。

泉屋 匠吾



 こんにちは、2年生の江口 太一です。
 2024年10月19日(土)と20日(日)、奈良県で『第35回全国高等専門学校プログラミングコンテスト』(高専プロコン)が開催され、課題部門に2年生と1年生で出場しました。高専プロコンの詳細や国際高専チームの発表内容はこちらの記事をご覧ください:5名の学生が『第35回全国高等専門学校プログラミングコンテスト』に出場

 予選では、準備期間が2ヶ月以内というタイトスケジュールでしたが、チームのみんなと一緒にゼロからアイデアを出し合い、どんなプロダクトにするかを考え、予選資料を何回も伊藤 周先生にチェックしてもらい、修正を重ねて、締め切りから大幅に余裕を持って提出することができました。結果的に予選ではA評価をいただいて予選を通過することができました。

 予選通過後、チーム内で役割を分担してプロダクトを完成させていくことになり、僕はモバイルアプリーケーションを作成することになりました。言語はJavaScriptのReact nativeと言うフレームワークを使用しました。僕としてはReact Nativeを使用するのはもちろん、JavaScript自体も使用するのが初めてで、最初は一つ一つ調べながら制作していたため、制作のスピードは速いとは言えませんでしたが、一つ一つ調べて実装していく中で新しく知ったことや、自分の思い描いているものが完成に近づいていくことがものすごく楽しかったです。

 また、僕がリーダーを務めたのですが、その中でチームメンバー全員が自らやるべきことを考えたり、わからないことも自ら相談してくれたりしたのでメンバーのことを信頼することができて、僕自身があまりチームの管理に時間を充てなくても、アプリケーション開発に集中でき、プロジェクトがスムーズに進んだ印象があります。そして、アプリケーションが完成したときには大きな達成感を感じることができました。

 そして、全てのプロダクトが完成していた状態で臨んだ本選では、たくさんの企業の方や学校関係者に自分たちのプロダクトを説明・アピールして多くの方に気に入ってもらえた反面、プロトタイプは完成していましたが、実験を実施する段階まで至ることができず、改善点を多くもらった時に自分たちでは気づけないところや、実際利用することを想定したときに問題となるところが多くわかりました。

 本選2日間が終わったとき、特別な賞はもらえませんでしたが、ゼロから考えて完成させるところまでチームで行ったことはものすごくいい経験になったと思いました。また、「これで終わってしまうのか」と思う反面、「やり切った」と言う感情も湧いてきて、肩の力が抜けてホッとした感覚が出てきました。そして、昨年と今年とプログラミングコンテストをやってきて、また挑戦したいと思いました。4年生になったときに今回の大会でもらったフィードバックを改善して今度は賞をもらえるように頑張っていこうと思いました。

江口 太一

 「ラーニングメンター」という仕事はご存じですか?おそらく多くの人が知らないラーニングメンターの1日について今日はお伝えしたいと思います。

 ラーニングメンターのアピラク・サンゲンチャイです。私の仕事は午後、担当授業への参加とともに始まります。教室の後ろに座り授業を聞き、内容を理解して学生から質問があればサポートできるように備えます。そして学生から質問があった際は説明をします。また、授業で発言が苦手な学生がいれば手伝いをします。

 午後7時半から午後9時半が私のメインの仕事であるラーニングセッションの時間です。この2時間は学生が持って来るそれぞれの勉強を手伝います。

宿題とクイズ:ラーニングセッションに多くの学生は宿題を持って来るので質問を聞き指導しながら取り組みます。数学の問題や作文の練習のようなものもありますが、中には科学レポートやプロジェクト研究のように複雑なものもあります。
プロジェクトとアクティビティー:宿題だけではなく、課外活動や個人のプロジェクトのサポートが必要な学生もいます。ロボット工学に興味のある学生のために、ロボコンなどの競技会に向けてロボットの設計、構築、プログラミングを手伝います。これには、アイデアのブレーンストーミング、コードのデバッグ、ロボットのパフォーマンスのテストなども含まれています。また、簡単なAI アプリの作成や、ゲームをプログラミングなど、各々の目標を持っている学生にはコーディング技術を教えたり、ツールを提案したり、問題の解決法を指導します。学生たちの創造性と意志の強さは私にとっても刺激的です。
生活の相談:時には、学生との何気ない会話を楽しむ時もあります。相談相手としてアドバイスや話をします。学生が、試験のことでストレスを感じたり、ホームシックになったり、将来の計画に不安を感じたりする時があれば、そんな時は彼らの話に耳を傾け、励まします。また学校生活と私生活の両立や、友人関係、将来の目標に悩む学生がいれば具体的なアドバイスをしたり、彼らが自信を持てるように私自身の経験を基に伝えることもあります。

 ラーニングメンターたちは学生にとって、兄弟、姉妹のような存在といえるでしょう。一緒に遊び、勉強し、楽しい時間を過ごすことは単に学校の勉強だけでなく、お互いの関係を築くということです。学生にとっては先生に相談するよりも私たちラーニングメンターの方が気軽に質問しやすいと感じてくれることがあります。例えば、プログラミング、特にロボットやAIについてなどです。私は過程を一歩ずつ指導し、彼らの進歩を見ることができたときはとても嬉しく感じます。

 また、ハロウィンパーティーやクリスマスイベントのような、外国の文化を体験できるイベントもラーニングメンターが企画します。このようなイベントを通して学生同士やまた学校との絆がより強くなります。

 ラーニングメンターの日常は忙しく、しかし充実した日々でもあります。この仕事の一番の魅力は、学生たちが成長し、問題を解決し、自信を深めていく姿を間近で見れることです。私たちの仕事は単に勉強のサポートだけではなく、生活全般のサポートです。今日はそんな私たちの1日をお伝えしました!

アピラク・サンゲンチャイ

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